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- 引っ越しをしました!
- いつもありがとうございます。突然ですが「こあのみずたまり」はこちら↓に引っ越しをしました。https://note.com/coaqua/これからもよかったら覗きにきてください!
こあのみずたまり -
- セロトニンジャの面接
- 「私がセロトニンジャです」「ほう、ヒドロキシトリプタミンジャよりも優れているところは?」「はい。あやつ、ヒドジャよりも、俊敏生に長けていると思う所存でございます」「ほうほう。だが、あやつは身を隠すのが上手いぞ」「ええ、ですので、私、水の中で四半時、息を止めていられるようになりまし…
こあのみずたまり -
- 異常異常異常
- 『鳥に羽が来ふふぬ湯』ここは異常な温泉。「わあ、ここが噂の温泉か」「お湯がとっても気持ちいいらしいわよ」「ちょっと!体を洗ってから入らないとじゃない?」「え、別にいいじゃない?」「すごく素敵ね、ここは」「そうね。また来ましょう」「コーヒー牛乳売っているわ」「飲みましょうよ!」ここ…
こあのみずたまり -
- 珈琲店
- その珈琲店では、ある決まりがあった。一つ。一人、必ずどこかの国の王を連れて来て、珈琲店で働く王たちの中に加えなければいけない。二つ。自分が連れてきた王の非、短所を、どこか言わなければならない。それをしないと、美味しい 珈琲 はできあがらないのだ。
こあのみずたまり -
- 太陽電球
- 太陽電球が発明されました。太陽をえぐりとって、一つの電球を作るのです。それは、いつまでも使えて、普通の電球の何倍も明るいのです。ぜひ、それを世界中の皆さんに一つずつお配りしたいと考えております。ただ、そうなると、太陽はちょうどなくなってしまうのですが。
こあのみずたまり -
- ここはどこだ
- ここはどこだ?あたりが真っ白だ。見渡す限り全て真っ白。出口がない。少し歩いてみると、何やら遠くに、小さく赤いものが見える。それの近くに歩いていく。なんだこれ?赤い玉だ。中に浮いている。自分の何倍かほどの大きさの赤い玉が浮いている。そこで僕は、あることに気づく。そうか、ここは日本国…
こあのみずたまり -
- 月のじゅうす
- 「あれは月のじゅうすだね」「月のジュース?」「ううん、月のじゅうす」「何それ」「四角形なんだけど、三角形で、ざらざらしていて滑らかなんだよ」「それが月のジュース?」「ううん、月のじゅうす」
こあのみずたまり -
- 蠅の最期
- 蠅は、自分の中から一つずつ何かが失われていくような気がした。初めに、楽しいという概念が自分から抜け落ちた。野原を飛び回ったり、素敵な雄蠅を見つけても何も感じなかった。次に、美味しいと言う概念がなくなった。大好物のはずの、地面に落ちたパンも、機械的に咀嚼するだけとなった。そして、飛…
こあのみずたまり -
- たたずむ卵
- どこまでも続く草原、その真ん中に、卵がひとつたたずんでいた。「これは、一年ごとに殻が一枚ずつ割れるのですよ」「殻は一枚ではないのですか?」「ええ、何枚、何十枚、何千枚、もっとたくさんだったでしょうね」「だった、と言うのは?」「はい、大昔、そのまた昔、ここには地球と同じくらいの大き…
こあのみずたまり -
- 対処療法
- 眠い。眠くて仕方がない。眠いと言うことすら考えられないくらい眠い。そんな時の対処療法をお教えします。まず、「いむくおむくいむくおん」と唱えます。すると脳みそが耳の穴から出てくるので、それを引っ掴んで全てを引きずり出します。脳を空っぽにしたら、耳に蚊の足を3本入れます。すぐに頭の中…
こあのみずたまり -
- 鍵穴
こあのみずたまり -
- 蝕まれる本音
- ぽつりぽつりと本音を漏らす人。そう言う人を、ぽつりぽつり星人は狙います。「実はな、俺な、本当はな・・・ぽつり、ぽつ、ぽつぽつり!」本音を漏らす人の脳みそを食べて生きながらえているぽつりぽつり星人はたちまち人間の脳を占領してしまうのです。「ぽつり、ぽつ、ぽっつり、ぽぽぽつり、ぽつぽ…
こあのみずたまり -
- リズム
- ぽんぽーん、ぽん、ぽぽぽぽん、ぽんぽぽぽぽ、ぽぽーん、ぽん、ぽぽぽぽん、ぽんぽんぽんぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽぽん、ぽんぽんぽん、ぽぽーんぽぽーーん、ぽんぽん、ぽん、ぽぽっ、ぽん ぽ ぽぽんぽんぽん、ぽぽっ、ぽん、ぽん、ぽぽーーんぽぽーぽぽぽぽっぽんぽぽぽぽぽぽ…
こあのみずたまり -
- ほくろ人間
- ほくろでできた人間が生まれた。一年たつごとにそのほくろは一粒ずつ減っていき、50年ほど経つと体の半分からほくろがなくなった。でも、それからほくろは何年経っても一粒も消えることがなかった。仕方なくそのまま生活していると、周りから、新しいファッションと人気者になりほくろを増やす人が続…
こあのみずたまり -
- 人魚男
- 「人魚姫なんか、絶対にいないよ」「何でそう思うんだい?」「だって、人魚姫なんかおとぎ話にしか出てこないじゃないか」「でも、いつかどこかで人魚姫と会えるかもしれないよ」「だって、僕たち人魚男しか、この世界にはいないじゃないか」「そうだな、やっぱり、人魚姫なんか、おとぎ話なのかもな」
こあのみずたまり -
- 偽月
こあのみずたまり -
- 扉
- その扉は、開けると自分の髪の毛の中に出る。時折毛根につまずきながら、進んでいくと、また扉がある。それを開けると、自分の腸の中に出る。地面のひだに足を取られながら歩くと、胃に出る。そこで半分溶けかかった扉をこじ開けると、オポリン星に出る。なぜか、そこには扉がないのだ。すると、オポリ…
こあのみずたまり -
- アルキョプ粒子
- アルキョプ粒子というものが集まると、巨大なアルキョプが出来上がるのだ。人間の耳の中から、海の底から、木のほらから、卵の中から。集まれば集まるほど、大きな大きなアルキョプが出来上がる。アルキョプが出来上がったら、それを細かく刻んで、ご飯にかけて食べよう。よだれを垂らす僕の耳の中から…
こあのみずたまり -
- 太陽が消えるまで
- ある広い原っぱで、太陽がもう少しで消えてしまう時原っぱは真っ赤になる。原っぱの真ん中に一本佇む木は、真っ青になる。その木はとてもとても綺麗だから、じっと見つめてしまう。たちまち真っ青な木に吸い寄せられて、原っぱの真ん中へ歩いていく。そうすると、もう木に触れたくなって、自分の手先が…
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- 嵐の後
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- 耳のないうさぎ
- 「何でこの子はにんじんが食べられないのよ!」うさぎの母は憤慨していた。そのうさぎは、生まれた時から、にんじんアレルギーなのだ。うさぎは、肌で「これは危険なもの」と察知していた。だから、これまで一切、口をつけてこなかった。だが___「うさぎなのに、にんじんが食べられないなんて!」「…
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- 競技場
こあのみずたまり -
- 電気人間
- 何か声がする。私は部屋の中を見回る。リビングへ行く。声は小さくなる。キッチンへ行く。声が大きくなる。「・・・も・・・・です」「・・・うも、・・・・人間です」「どうも、私、電気人間です」その声は、コンセントから漏れ出ているようだった。「どうも、私、電気人間です。どうも、私、電気人間…
こあのみずたまり -
- 桃と尻
- 桃を一つ食べると、尻の割れ目が四つになるのです。桃を二つ食べると、尻の割れ目は八つになるのです。桃を三つ食べると、尻の割れ目は十六になるのです。人間の尻は、元々は一つも割れていなかったのです。でも、お母さんのお腹の中で、取り込まれた栄養分の中に桃が含まれていた時、人間は初めて尻が…
こあのみずたまり -
- き ま り
- その喫茶店では、店に入る前に、入り口で「えりえりくとくとあせあせでりんぱ」と言わなければならないのだ。その列車では、決して、しばしば走行中に開いているドアの向こうを覗いてはならないのだ。その森では、切り株の中のこりすをいじめてはならないのだ。何があっても、絶対に。その海の中に、も…
こあのみずたまり -
- 生命体
こあのみずたまり -
- アボカド
- 空のずっとずっと上は、地面のずっとずっと奥なんだよ。じゃあ、空のずっとずっとずっと上は、なんなの?地面のずっとずっとずっと奥なんだよ。本当かな、そうなのかな。試そう。父の片腕が急に太くなって、家ほどある大きな石を持ち上げたかと思ったら終わりの見えない空へ、力強く放り投げた。「ドス…
こあのみずたまり -
- 情報
- __人間の耳と口には、スピーカーのつまみがついているのだ。耳についているつまみを右に回すと、より多くの音を取り入れられる。反対に左に回すと、小さな音だけを聞くことができる。口についているつまみを右に回すと、声量が多くなる。反対に左に回すと、小さな声しか出なくなる__え、そんなもの…
こあのみずたまり -
- 金を呼ぶ鳴き声
- キジの鳴き声が運悪く耳に突き刺さると、耳はスパッと真っ二つになってしまう。「ケーン、ケーン」そんな声を聞いたら、これは「ケン」ではなく、「キン」だ、と思い込むのだ。そうすると、運が良ければ「金」がどさどさと落ちてくるだろう。思い込み方が足りないと、「菌」が降ってきてベトベトになる…
こあのみずたまり -
- 数字の化石
- 地層から、数字の化石が発掘されるようになった。古い地層からは「1000050000000」新しいものからは「23000」これはいい研究の材料になりそうだと、学者たちは喜んだ。時はすぎ、その数字の化石は、朽ちていく学者の家で時を刻んでいた。「1000050000001」、「1000…
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