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テーマ:楽しい俳句(372)
カテゴリ:句会
第7回鴎座通信句会 全句データ(互選用)
第7回鴎座通信句会の参加者は35名175句となりました。みなさんのご協力に感謝します。選句と講評は鴎座代表、編集長,副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選も行います。 ●互選選句 5句。(全句のなかから5句を選んでください。互選は任意です。また互選できるのは投句者のみです。句番号と上五、および選句者名をお忘れなく。) ●選句締切 10月31日(日)24時必着。 メールまたはFAXでお願いします。メールアドレスは「鴎座」巻末に記載してあります。またFAXやメールでお問い合わせください。個別にお知らせします。 句番号はランダムに変換されたものです。(誤字脱字・類句などがありましたらご連絡ください)結果は全投句者にメールまたはFAXでお返しします。また次号「鴎座」に発表するとともにFACEBOOK・BLOGにも発表します。 2020年10月28日 鴎座俳句会 代表 松田ひろむ 〈第7回鴎座通信句会全句データ〉 句番号 作品1 ふり向けば花野は風の遊園地 2 入日さす温泉蒸しの衣被 3 塀際に三色群れる彼岸花 4 選択の核なき世界初もみじ 5 コロナ禍が無くても籠る秋の雨 6 母の年越えて新米磨いでいる 7 冬じたく鍋を小さく買い換える 8 入院の妻の小春の爪を切る 9 道標に湯煙マーク秋遍路 10 古障子けんちん蕎麦を頬張りぬ 11 黄落期ドイツ小型車街をゆく 12 コロナ禍の忙中閑や冬支度 13 キャベツの葉魚の餌にある香り 14 黄葉降るリュートの響きシャンゼリゼ 15 星月夜見知らぬ人と会話する 16 実山椒その後大きなこころざし 17 西武線の特急で来る葡萄 18 秋澄むや遺伝子少しだけ狂う 19 垂直に支柱の立ちて馬肥ゆる 20 お供えの寒菊小菊風立ちぬ 21 バス停の年寄五人文化の日 22 妻留守の小言里芋煮詰まって 23 犬と遊んで余命一日減らす秋 24 水澄むや秘境を繋ぐ丸木橋 25 先生も混じりて走る運動会 26 稔り田を貫く国道青信号 27 団栗を踏み御朱印の待ち時間 28 過疎地の核ゴミ処分場地虫鳴く 29 図書館は太古の閑けさ燕去る 30 指切りは去年の秋やウイズコロナ 31 曼殊沙華愛だ恋だにもう飽きて 32 秋澄めり空へ敷布を一頁 33 万華鏡のような花火や大曲 34 帰り花わが祝砲はひそやかに 35 柔らかき母のため息秋の薔薇 36 ジーンズで林檎磨いたああ青春 37 狛犬にお手をしてみる菊日和 38 うらがえしてもうらがえしても秋刀魚 39 文化の日テレビを買って本を売る 40 床過る猫の足音初紅葉 41 雨はげし野牡丹の花二つ三つ 42 生き死には指がきめるの疎抜菜 43 観音を巡る秩父や蕎麦の花 44 大屋根を行ったり来たり雁渡る 45 コロナ禍や平凡の意味身に沁みる 46 コロナ禍の暮しいつしか風呂名残 47 大根の最後のかけらおろさざる 48 どんぐりころりしかられてもすぐママの膝 49 ハローウィンのかぼちゃを供え寺静寂 50 蜜柑山風と藍いろ海が好き 51 囲炉裏から焼藷の出る田舎時間 52 鬼婆になりきれなくて十三夜 53 落鮎の琥珀の色に焼上がる 54 コスモスを着こなしている無人駅 55 時くれば何とかなるもの青蜜柑 56 故郷の庭より富士の初冠雪 57 四股踏んで骨密度よし冬隣 58 鹿走る住宅街に麻酔銃 59 村にまた空き家の増えて柿紅葉 60 探せども完き落葉見つからず 61 雁渡る急がなくても明日がある 62 公園を横切る自転車黄落期 63 鰯雲去年は今ごろ何してた 64 路地奥のピザの匂いや文化の日 65 この頃や砂糖多めの林檎煮る 66 一歩ごと足にまつわる芒かな 67 愚痴などは言わぬ眩しき零余子飯 68 季の終わり知らず知らずに小鳥来る 69 天高し板橋ナンバー加速せず 70 カーテンの襞の重なり秋の声 71 秋鯖や伊根の舟屋にもてなさる 72 大器晩成カリンごろごろころがして 73 風は秋西郷像の粗衣無帽 74 踏み分ける猫の額に露時雨 75 曼珠沙華火宅の人に飛火して 76 憂国忌おちょこの傘を差して行く 77 大陸のそよぐ肩幅すすき原 78 猫じゃらし枯れて正直者の顔 79 残暑残暑ヒジャーブにマスクとは 80 飯よりも薬を食らい冷まじき 81 ナフタリン匂う距離感菊人形 82 初紅葉四兄妹の七不思議 83 露草の星となるまで土佐日記 84 先頭を探してしまう鰯雲 85 田舎なれども白粉の花盛り 86 背中押す人のぬくもり鰯雲 87 あれこれと帽子を選ぶ中也の忌 88 夕暮はバニラの匂い稲雀 89 この先もずっといい肌蛇穴に 90 ほどほどの日常が好し温め酒 91 食べるのはあっという間ね栗御飯 92 松茸づくし今日は何の日ないしょの日 93 清姫の化身かも知れぬ穴惑い 94 いぼむしり一歩踏み出したまま枯れる 95 白山茶花同姓五軒並ぶ路地 96 肌寒や書店の棚を拾い読み 97 十六夜憲法黙読する埴輪 98 一面に風伝峠よりの霧 99 黄八丈袷に奈津の笑った日 100 秋湿りささっと二羽の鶴を折る 101 山装う少女の胸に汚染水 102 ラジコンの立泳ぎする刈田空 103 猫じゃらし明るい内に帰りなさい 104 ピラカンサ明朝体の文ばかり 105 木机に日付けを刻む夜学生 106 山梨へ親子三代墓参り 107 無人駅木椅子にひそっと吾亦紅 108 高空に桐の実の鳴る明日はまた 109 冬うらら猫の書類をひとまとめ 110 秋茄子一味違うおみおつけ 111 火恋し手のひら見てもつまらない 112 日の匂い僅かに孕み風炉名残 113 箸置に富士の冠雪詰め込んで 114 いつのまに小さな火傷敬老日 115 穴惑遊歩道にて鉢合わせ 116 満月は去年と同じでも違ふ 117 笑栗や表情筋を鍛えねば 118 もってのほか道ならぬ恋光君 119 わが家の自然薯きっと平和主義 120 銀杏が拾ってくれというのです 121 自助共助二人で分ける新豆腐 122 いまここに万太郎句碑十三夜 123 「考える人」の肩先赤とんぼ 124 シャッター街色なき風と彷徨へり 125 名月や妻という字が邪魔をする 126 渋柿の年を重ねてつやつやと 127 図らずも末っ子四人の夜長かな 128 十三夜供えし物は殻になり 129 すすき原露にも匂いありそうで 130 どんぐりを音符に見立て踊りだす 131 奥飛騨の棚田のジャンボ案山子かな 132 午後二時はパン屋来るころ日向ぼこ 133 物言わぬ俯瞰の影や鵙猛る 134 秋光や業平塚は真っ平 135 何思う肩に静止の蟷螂は 136 贅沢は牛肉百と新走り 137 菊人形朝一番の香り濃く 138 鳩時計今ごろ母はとろろ汁 139 枯野行き単線といういさぎよさ 140 唐辛子今日のマニキュアこの色に 141 五合目が私の頂上蔦葛 142 秋霖の窓に跳び乗る猫無音 143 夢道の忌非正規の夫婦生きにけり 144 毒茸山の一座に道化師も 145 心眼は誰にもありて色鳥来 146 もてなしに干柿雲を見下ろす村 147 秋晴や切り絵の如く駒ヶ岳 148 木枯しや小江戸に今日も時の鐘 149 障りある話の続きお螻蛄鳴く 150 金木犀夕べの棘は抜けぬまま 151 渓音や湯面の落葉かき分けて 152 ふるさと便秋の暁背に離陸 153 ときどきは恋は優しと青木の実 154 からまつの落葉も入るカップ麺 155 マスクする自由確かに地動説 156 越後より脊梁山脈越す落葉 157 ままごとの仕草は永遠に椿の実 158 目の前の人もうゐない新豆腐 159 分け入って画像の中の草紅葉 160 鳥渡るマスクマスクのヒト置いて 161 冬はじめ豊島区駒込雨予報 162 意味深に話すべからずとろろ汁 163 西を向き雁の朝立ち兵隊さん 164 水琴窟リズム小さき秋運ぶ 165 青北風の天狗岩からリニア見る 166 恋文の筆ゆるやかに秋の蝶 167 梵語めく聲をこぼして雁の列 168 俳人の首筋あたり秋になる 169 こきざみの唇ホットミルクティー 170 源氏絵や我は現の小春に居 171 どこにでも転がる運や柿の蔕 172 まだかまだかと夫の催促栗ご飯 173 学問の自由林檎の落つ自由 174 石榴笑む僧侶は箒立てたまま 175 穴惑ぼんぼん時計が耳につく END 鴎座通信句会はウイズコロナ時代の新しい句会のあり方として注目されています。この4月以降、7回の開催の結果、これまで句会に参加されなかった会員の復活もあり、また新しく通信句会に参加される方などもあって予想以上の大きな成果が生まれています。 今後も「鷗座通信句会」は独自の会として発展させて行きたいと思います。みなさんのご協力をよろしくお願いします。 締切は毎月26日です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2020年10月28日 22時11分31秒
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