1ヶ月熟成させた大トロ。大トロそのものと、ヤリイカの下にも入っています。
大トロは好きなのですが、こんなに深みのある味わいとは!驚きました。
日本全国の魚の良さ、味の良さが感じられる鮨と和食を落ち着いた雰囲気で楽しめる店へ行ってきました。
福岡に4年半住んでいたこともあり、九州の魚が懐かしいスイッチがよく入ります。
仕事仲間何名かと先月飲みに行った時にその話をしたら、ある方が
「10年以上前に福岡へ出張でよく行ってた時に好きな寿司店にいた職人が働いてる店が茅場町にある」
と言ってて、その店名を聞き、私も夫と夫の職場関係の方と福岡へ住んでいた時に行った店だと思い出しました。
江戸前の鮨でありながら、九州の良さも感じられる店だよと仕事仲間が会員だったので思わずその場で行きたいと言い、予約をしてもらい一緒にいってきました。
鮮度保持技術と日本伝統の熟成や発酵技術の両方が良さを追究した新江戸前鮨(熟成鮨・じゅくせいずし)や
料理が楽しめます。
詳細はこちら→熟成鮨とは
コースは18,000円(税、サービス別)
メニューは上記のコースのみ。単品は、コースを注文した場合に注文可能。
ドリンクは別。
四季の味覚を盛り込んだ様々な逸品料理を堪能する旬のフルコース(15~20品)の構成です。
*写真は全て1人分です。
*写真撮影の許可をいただいています。
■おつまみ4品
左上から時計回りに、子持ち昆布、塩辛の古漬け、いか明太、がり
いか明太は、手作りの明太子をばらして、芋焼酎と合わせたもの。
メリハリがある食感と味ですが、後味がまろやか。
いか塩辛
直江兼続公の四季農戒書を紐解いて作った一品。
鮨や一品の合間に、時間をかけてゆっくり味わいます。
時間の変化とともに、風味や食感の変化があり、ユニークな1品でした。
がり
新生姜の芽の部分で繊維が少なく、とても食べやすい。
生姜好きに嬉しい一品。
酢の加減が絶妙で、鮨の合間だけでなく、ちょこちょこ食べていました。
おかわりもOKです。
■鰹
藁炙りです。
藁の香りがとてもよく、鰹のうまみがしっかりあり、えぐみが全くありません。
■白ワイン
勝沼醸造のアルガーノ ボシケ
あれば飲む好きなワインですが、改めて和食と合うと感じました。
いよいよ鮨のスタートです
■鮨一貫目 カンパチ
1口食べた後、酢飯が違う!と感じました。カンパチの酢飯は赤酢とお聞きしました。
しゃりや酢も酢飯によって、赤酢、黒酢と変えているとお聞きしました。
*店独自でブレンドされているとお聞きしました。
■鮨二貫目 コハダ
コハダも赤酢の酢飯。まろやかな味わいの酢飯と柔らかい食感のコハダの相性がとても良い。
鮨の間に色々な和食も楽しめます。
■茶碗蒸し
だしが繊細で洗練された味ですが、どこかホッとします。
■丹波黒豆
■鮨三貫目 イサキ
表面が炙られています。
炙ることでイサキの旨味が感じられます。
■あん肝
あん肝そのものも良いのですが、餡の味のバランスの絶妙さに驚きました。
甘味が感じられると思いきや、ぼやけた甘さでなく、引き締まった味の餡。
ベースの出汁の良さが感じられます。
一貫目から三貫目から赤酢の酢飯でしたが、ここから黒酢の酢飯の鮨が登場します。
■鮨四貫目 ヤリイカ
今回食べた鮨の中でハマりました。
ヤリイカといえば、福岡に住んでいた時に好きになったものの一つ。
懐かしさを感じると同時に、1ヶ月熟成させた大トロがヤリイカの下にあるとは。
旨味のハーモニーがすごすぎる一貫でした。
黒酢の酢飯だからこそ、ヤリイカと大トロの旨味が感じられかもしれません。
黒酢の酢飯とはいえ、黒酢のえぐみなどは全くありません。
■鮨五貫目 さんま
さんま等青魚は熟成でなく、鮮度の良いものを仕入れてらっしゃいます。
上に乗っているものは、さんまのワタを火にかけて裏ごししたもの、ネギと生姜を合わせたものなのです。
鮮度の良さと立体感のある味が感じられる一貫でした。感
■鮨六貫目 クエ
五島列島のクエです。
福岡時代によく食べていたので懐かしくて、今回予約をしてくださった方に思わず抱きつきたくなるぐらいでした。
こちらも黒酢の酢飯がクエの深みのある味わいを引き出しています。
■鮨七貫目 サヨリ
サヨリも新鮮で深みのある味わいでした。
鮨といえば日本酒を合わせることも多いのですが、白ワインの後に焼酎が飲みたくなりました。
何が合うか迷っていて、大将に焼酎のオススメを聞いてみました。
ローマ字で70。ななじゅうと読みます。1杯900円
ロックで味わいます。
私の大好きな焼酎の一つ、不二才(ぶにせ)の南さつま市にある佐多宗二商店の焼酎です。
ウイスキーに使われる、間接加熱蒸留器で蒸留した芋焼酎が70%がブレンドされているから「ななじゅう」なのですね。
本数が限られているとお聞きしました。
香りが甘くて、キレのあるスッキリとした味。
和食や鮨に合う焼酎です。
この焼酎が、次の料理にとてもよく合いました。
■ぼらの白子の揚げ出し
揚げてもプリッとした食感。
■鮨八貫目 のどぐろ
すだちと塩がのどぐろの旨味を引き出しています。
■うにいくらの小丼
うにといくらの丼。
北海道の根室のウニは濃厚で旨味が口の中でいくらと一緒に広がります。
丼の大きさをお伝えすることはできませんが、鮨2貫分ぐらいでしょうか。
いくらも旨味がしっかり。調味料でごまかしていないのが好みです。
■鮨九貫目 くるまえび
えびの旨味がぼやけていないのが好みでした。
ここで、もう1杯焼酎を飲みたくなり、大将にオススメを聞いたところ、
間接加熱蒸留器で蒸留したものでウイスキーやブランデーのような芳醇なものがあるとお聞きし飲みたくなりました。
■スピリッツ 刀〜稲妻
1,200円。
ロックで味わいます。
もう、香りがすごくよくて。癒されます。
LXX(ななじゅう)よりもより芳醇で甘さも感じられる香り。
ブランデーかと思うぐらい。
限定発売の「刀」を樽で長期貯蔵させたもので希少なのです。
さつまいもと米こうじが原材料。
酒税法の関係上、表記がスピリッツになっています。
2010年と書かれていました。
■海老だしの味噌汁
海苔の香りとえびの濃厚なだしが絶妙な味わい。
椀も深めで、たっぷり楽しめます。
■鮨十貫目 大トロ
■鮨 巻物 広島菜巻き
赤酢の酢飯、山芋、大葉、梅肉を広島菜で巻いたもの。
締めの鮨にさっぱり味わえました。
熟成といえば、なれ寿司、鮒寿司が古くから知られています。
これらとはまた違う、新しい形の発酵と熟成文化が感じられる鮨や料理の数々。
全国各地の食文化や歴史を知り尽くし、新たな食文化の歴史を刻む店だと今回訪れて感じました。
オーソドックスでありながら、革新的。
私自身、食材や味付けの新たな発見がありました。
鮨はもちろん、料理のボリュームもあり、希少で良質な焼酎が適正な価格で飲むことができ、良い店でした。
鮨 不二楼 (寿司 / 茅場町駅、八丁堀駅、日本橋駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
東京都中央区日本橋茅場町2-9-12 3F