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馴染みの酒 [日常]

好きな酒を呑める喜び。

ひとりでふらりと居酒屋に入る。
あるいは家族や仲間と呑みに行く。
品書きを開くと酒の名前が並んでいる。
ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー……
かなりの割合で知っている銘柄が入っている。
時折、同席者におすすめの酒を訊かれて
その人の好みや、注文する料理に合わせて
『このあたりかなー』なんて偉そうに言いつつも
自分が頼むのは違う銘柄だったりする。
なぜなら私にとって『酒を知る』ことも仕事の一部だから。

絶対に合うはずの酒も
物書きになる前は何十本とリピートし
外で見るたびに注文してきた酒もスルーして知らぬ酒を試す。
心から旨いと思う出会いもあり、そうでもないときもある。
それでも、心のどこかでいつも馴染みの酒に焦がれている。
身体のあちこちにガタが来ている私は
もう一度にたくさんの酒は呑めない。
せいぜい一杯か二杯しか呑めないのなら、知らぬ酒を呑むべし。
それが、ここ五年ぐらいの私の暮らしだった。

そして今、私は存分に馴染みの銘柄をリピートしている。
近頃も旅先で心の底から好きだった酒に出会った。
もう何年、いや何十年も口にしていない。
そもそもその蔵元自体が全国で広く商う気がない。
中でもその銘柄は季節限定で、限られた店でしか手に入らない。
ご当地に赴いても、飲食店で出会えることなどほとんどないのだ。
感動の再会を喜びながら、一杯を大事に大事にいただいた。
肴はスマガツオの刺身、カツオの王と言われる魚だ。
この魚をが置いてあるだけで店の質がわかる。
よしよし、と頷きながら、大事に大事にいただいた。
素晴らしきかな、人生、という感じだった。

新しい酒を知るのは大きな楽しみではある。
けれど、ときには馴染みとしっぽりしたいときもある。
好きな酒を好きなときに好きなように呑む。
なにものに代えがたい楽しみである。



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【観賞記録】

   OFF THE WALL  梅棒 

     元気をもらいたくて出かけていったら、もらいすぎてぐったり。
     というのは冗談ですが、我らが『霜川先輩』(楢木和也さん)は
     ダンス肩を見事に克服し、きれっきれで踊りまくっておりました。
     1分走っても息も絶え絶えになる私には、1時間40分踊り続ける方々は
     宇宙人としか思えません。
     この作品はそんな宇宙人たち(失礼!)とガチの宇宙人の交流を描いた作品です。
     本日、千穐楽。どうか怪我なく、劇場に笑顔が溢れますように。


【個人的応援】

     本日、末那高生のひとりが漢字検定に挑戦中。
     諺、語源だけではなく、漢字そのものに興味を覚えた模様。
     見事合格の暁には、なにやらご褒美があるらしいけれど
     そんなの関係ありません。ヤルシカナイネー
     というわけで、頑張れ、松崎祐介さん!

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