最近、はやり目が増えている気がします。毎日、アデノウィルスチエックが3人ほど必要で、一人が陽性という感じです。休日診療所でもはやり目の患者が、多かったです。普通は、プールが始まる頃に増えますが、今年は、平年より、早い気がします。

はやり目はアデノウィルスの感染症です。風邪のウイルスの1つであるアデノウイルスが」飛沫感染などで、目に入り充血、眼脂がひどくなります。初期は普通の細菌性の結膜炎と所見は同じですが、抗生物質などは効果がなく、自分の抵抗力で治ります。

治療は対症療法で、2次感染予防の抗生物質、炎症を減らすための7ステロイド、角膜障害を減らすための、角膜保護剤の点眼になります。洗い流し効果もあるため、点眼は必要です。ただ、すぐには良くなりません。症状がでてから、2週間は他の人に感染する可能性がありますので、学校は休んでいただきます。本来職場も休む必要がありますが、たいてい、どうしても、仕事に行かなくてはならないと言われます。その場合、個室にこもり、他の人と接触せず、触ったところは全てアルコール消毒が必要です。病院でこの感染が起こると、病棟閉鎖を余儀なくされます。

大学病院にいたころ、よくそれで、病棟閉鎖になり、手術が中心なったりします。感染力がかなり強いため、家族への感染も注意が必要です。

タオルやハンカチは完全に別にして、触ったところは全てアルコール消毒、お風呂は最後になります。一度、感染したのみ、1か月後再度感染ということもありますが、これは、アデノウイルスの型が違う場合、再度感染することがあります。インフルエンザの7A型、B型の違いのようなものです。症状がよくなった後、すぐ、点眼をやめたり、診察に行かない人がいますが、はやり目は後遺症で角膜混濁を残すことがかなりの割合であります。特に7ステロイドの点眼や角膜保護剤の点眼は医師が中止というまで、続ける必要があります。

クリニックや病院では、はやり目の人が頻回に病院に来ていただくことも困ります。眼科には、目の悪い人がたくさんいらっしぃます。いろいろ触りながら移動します。アデノウイルスは48時間以上常温で生きています。2週間は治りませんので、症状が改善したころ、角膜の状態がどうか、点眼を続けるべきかどうかを判断しますので、再度病院にお越しください。