ブラタモリで注目の小鳴門海峡を見下ろす三ツ石山 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[桜と回遊ハイキング(鳴門市)]

先週放送されたNHKブラタモリでは、徳島県鳴門市大毛島と本土を分ける「小鳴門海峡」が紹介された(下の写真は妙見山から見た海峡と三ツ石山)。

 

番組では小鳴門海峡は元々陸地で、泥岩の多かったところが侵食されて海峡となり、航路となって撫養が四国の玄関口になった旨紹介されたが、海峡に架かる小鳴門橋下の海底からは旧石器が三点出土していることも忘れてはならない。

 

その海峡は、桜で有名な妙見山(61.6m)から見渡すことができるが、もっと標高の高い、対岸の大毛島で二番目に標高が高い三ツ石山(174m・上の地図と下の写真)からの方が、高度感があり、景色が良い。

 

去年、当方は当初、島の最高峰、野田山(198.7m)から三ツ石山を縦走・回遊するつもりだったが、登った尾根が途中でヤブ化したため、野田山の登頂を諦めて一旦下山し、三ツ石山のみの回遊に変更した。

 

登山口は鳴門市鳴門町土佐泊浦地区にある潮音寺西の切通し部(上の地図)。車は寺の駐車場に駐車させて貰った。尚、登る前、寺境内の紀貫之の歌碑を見学した。

 

登山口から階段を上るとすぐ縦走尾根に出る。最初は細い竹が生えているが、その内、スズタケも出てくる。早咲きのミツバツツジもあった。

 

73.5m峰を過ぎてしばらく行くと、見頃のピークを過ぎたヤマザクラが咲いている所もあった。実はこの日の午前中、妙見山と花見山(四国一の枝垂れ桜名所)を探訪していたので、まさに桜尽くし。

 

山頂には花が落ちた椿があり、周辺一帯は笹に覆われている。山頂部は狭く、座ると展望はないが、すぐ南側は絶景が広がっており、小鳴門海峡から紀伊水道を一望できる。桜に覆われた妙見山もはっきり分かる。

 

復路は南西に下り、八幡神社跡からは石段を下って法勝寺境内に出る。山門を出た所にある、ソメイヨシノやヤマザクラに覆われた池の写真は、去年、花見山の記事に添付したと思う。

 

池からは小鳴門海峡沿いの道路に出て、土佐泊浦集落へと引き返して行くが、三ツ石山南面の中腹にヤマザクラが沢山咲いているのが見えた。そこに登山道はあるのだろうか。

 

小鳴門海峡を見ながら土佐泊浦集落へと入ると、小宰相局の墓の標柱が建っている。小宰相局は平通盛の妻で、寿永3(1184)2月、摂津・一の谷から讃岐・屋島へと落ちて行く途次、この地、土佐泊港で通盛が一の谷の戦いで討死したことを知る。

 

夫のいない世に未練はないと、局は小鳴門海峡に身を投じた。そののち、局の「衣掛けの松」(現存せず)の袂に墓(上の写真と下の地図)が建立された。平家物語関連地でもある。尚、局の墓は神戸市にもある。

そこから潮音寺駐車場までは10分ほど。

 

この前日は香川県下の二ヶ所のパノラマを誇る桜の山を探訪したが、また機会があれば投稿したい。

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