「何だコレ!?」放送の酷似物が全て高知に(2)穴開石奉納社 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

《身体が抜ける巨大穴開き石》

2/5放送の「世界の何だコレ!?ミステリー」で紹介された各種遺物や遺跡だが、今回は穴開き石奉納神社。番組では紀伊山地山中で、穴の開いた小石が沢山奉納された神社(祠)を取り上げた。

 

全国何ヶ所かに同様の祠はあるものと思うが、祈願する際か、お礼参り時に穴開き石を奉納するようになっている。高知県では、岩屋の中に安置されている土佐市の穴地蔵が有名で、鼻や耳等、身体の「穴」にご利益がある。

ただ、残念ながら写真を撮っていない。ミニDVテープのビデオカメラでは撮影していたと思うが、パソコンへの取り込み法が分からないし、映像を探すのが面倒。

 

穴開き石の穴に紐を通し、吊るして奉納するようになっているのは、国道33号沿いのいの町寄りにある日高村の石神坂(六分坂)にある「石神様」である。

御神体は赤い布がいくつか吊された松で、その下に祠があるが、国道ができる以前は松の木より上方に祠があった。

ここでも身体の穴に関する病にご利益があり、願ほどきに穴開き石を松の木に吊るして奉納する習わし。ただ、現在の奉納石を見ると、人工的に穴を開けているようにも見える。

願掛けではなく、珍しい穴開き石が発見されたから、ということで神社に奉納されたケースもある。それは中土佐町久礼の久礼八幡宮。境内には100kg以上ありそうな巨大な穴開き石「厄抜け石」がある。

 

この石は大正時代、久礼指川沿いで林用軌道敷設のための工事をしていた際、約1億年前の白亜紀の粗粒砂岩の地層から出土したもの。川床が現在より10mほど高かった太古、この石は川床にあり、急流によって丸味を帯びた形になり、その内、中心部に激流が絶えず当たるようになり、それに小石が混ざって回転しながら石を削るようになり、穴が開いた。

この石を発見した工事関係者は、形状があまりにも奇異なため、霊石か何かではないかと思って八幡宮に奉納した由。

以後、神社ではこれを「厄抜け石」と名付け、通り抜けてから神木に祈願すると、厄除けになると信じられるようになった。

 

但し、穴抜けは一方通行であり、逆からは身体が抜けないようになっている。珍スポットとも言えるが、ナニコレ珍百景には投稿されてないのだろうか。

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