2020年至極の探訪地ベスト5 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<史上初、四国の地がランクインせず>

今年も非常事態宣言期間を除き、県外に出向き、何度かGoToトラベルを利用した。が、今回、’88年以降(ネットがない時代は一人でノートに記していた)、史上初、年間探訪地ベスト5に四国の地がランクインしなかった。

 

5位・目白鍾乳洞(福岡県北九州市)

全国有数のカルスト地形、平尾台にある福岡県三大観光洞の中で最長の鍾乳洞。複数の洞路を合わせた総延長は2kmに及ぶが200mが観光客向けに公開されている。他にケイバー向けコースもある。

発達した石灰崋や石柱、カーテン等見所は多いが、最大の特徴は日本最大、全長20m以上の一枚岩の天井岩。

 

4位・犬島(岡山市)

岡山市東区の本土から比較的近距離にある周囲3.6kmの離島。この島は近代化産業遺産とアートの島として山陽地方では知られている。

島には1909年から10年間だけ操業していた赤煉瓦造りの銅の犬島精錬所跡が残り、それがまるで明治の要塞を彷彿させる外観。高さ30~40mある6本の煉瓦の煙突も威容を誇っている。

 

精錬所跡の一部を利用した美術館の他、島内にアート作品が点在しているが、最大のものは撮影可の作品で、「犬島の島犬」というもの。二階建ての海の家を犬小屋に見立て、そこに全長5.1m、高さ3mもの犬の像が収められている。

3位・高平山~仙崎山(大分県津久見市・佐伯市界)

以前、登山口のある高平展望公園のハイジのブランコを紹介した。コースからは津久見湾や豊後水道を見渡せる。

 

仙崎山はつつじの名所だが、正月でも一部がフライング開花していた。尾根上の砲台跡からも絶景が広がっているが、山中にはコンクリート造りの戦争遺跡が点在する。

2位・西京橋(大分県中津市)

九州に於ける山上の浸食洞門の中では、熊本県の穿戸岩、中津市の古羅漢に次いで地元では知られている洞門(岩の橋)だが、休日でも探訪者に会わないことが珍しくない。

 

駐車場から僅か20分で到達できるものの、コースの前半は茅のヤブに覆われた箇所があり、後半は沢歩きや倒木を乗り越える箇所もあり、一般観光客向きとは言えない。

西京橋をくぐった先には巨大な岩屋があり、そこから写真を撮ると、まるで洞門が二つ連続しているかのような光景となる。

太古ここが波打ち際だった頃、波が西京橋を作り、その先の岩屋部を浸食している途中で地殻変動が起こり、海岸部が後退していったのであろう。

 

第1位・古羅漢(中津市)

これは以前、詳しく紹介した。羅漢寺の近くにある古羅漢の天人橋(自然の岩橋)とその下にある洞門は、九州のコースが整備されている山上の天然の岩橋と山上洞門の中では最大級のもの。

絶壁に建つ懸造りの簡易堂宇や磨崖仏、断崖の狭い道等、探勝路に見所は多い。大分県に何十ヶ所もある「〇〇耶馬渓の景」の中でも随一の奇勝と言える。

 

来年は残りの九州の山上洞門の他、本州の天空の鳥居も探訪予定。

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