臨床実習とCCS(クリニカルクラークシップ) | 理学療法士SMILEの勉強生活

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先週、某養成校での臨床実習指導者会議に参加して来ました。

やはり変更点が多いですが、これでうちの職場でもいよいよCCSの本格導入となります。

※CCS:Clinical Clerkship(クリニカルクラークシップ)、臨床参加型実習とも言われます。


基本は「見学・模倣・実施」です。

既に免許を取得されている方であれば、苦い記憶が蘇るであろうレポート作成。

このCCSを導入することで、このレポートを作成することは基本的に無くなります。

私自身、「1~10まで手取り足取り学生に教える感じ」という印象を持っています。


「見学」は介入前に患者さんの状況や介入目的・内容、特に見学すべき内容等を伝えておきます。

その後、実際にその内容を提示し、それに対しての説明をします。

「見学」をすることで、視覚的なイメージと言語的な説明により、療法士のスキルに対しての理解度が増すとされています。

「模倣」は「見学」をもとに指導者の技術を模倣させる段階です。

そして「実施」は、模倣を経験した上で、指導者の見守りのもとに患者さんへ実施することです。

この「見学」→「模倣」→「実施」の流れを学生の能力に応じて行います。

実際には、少しずつできることを増やす形になると思います。

※詳細は書籍などでご確認ください。

 

セラピスト教育のためのクリニカル・クラークシップのすすめ 第2版

 

とにかく、ただの「見学実習」にさせないことが臨床実習指導者に求められると思います。

極端な話、指導者も学生も何も考えずに実習に臨んだとしても、「見学実習」のような状態になり、評価に合格が付きますが、質は間違いなく低下すると思います。

その点、以前の患者担当型実習は半ば強制的にレポート作成などをすることで、ある程度の質を保っていた面もあるかと思います。

※あくまでも患者担当型実習の良い点だけを見た場合ですが。

だからこそ、養成校(臨床実習担当教員等)と連携しながら、対応策が必要であると思います。

学生の能力は個人差が大きいです。

当然、画一的に教えていたら結果として質が低下していくでしょう。

とは言え、これは厚労省、つまり国がそのようなやり方を推進しています。

臨床実習の時間も45時間以上から、実習時間(週40時間)とそれ以外の課題学習等を含めて週45時間以内と縮小されました。

現行の実習にも適応されるため、すぐに徹底しなくてはなりません。

また、従来型の指導方法で実習を行っていると、厚労省の指示内の時間では収まらない可能性もあります。

つまり不満があろうとも、とりあえずはCCSを基盤にして実習指導をしていくしかないと考えられます。

学生以上に、指導者の力量が以前よりも増して問われると思います。

本当に対策が必要なのです。


某裁判の影響もありますが、今が療法士の臨床実習の変革の時であることは間違いないです。

今まで変化して来なかったこと自体が「おかしい」とも言えるかもしれませんが。


そもそもの臨床実習指導者の要件も、経験年数5年以上と臨床実習指導者講習会への参加が義務付けられました。

今現在、詳細は未定ですが、近いうちにアナウンスがあるはずですから、しっかりと情報収集する必要があると思います。


ある程度の詳細は日本理学療法士協会のホームページに掲載されていますので、ぜひご確認ください。

詳細はこちら


「臨床しかやらないから関係ない」ではなく、同じ療法士の後輩や療法士業界の未来にも関わる重要な変更です。

全ての療法士がしっかりと知っておくべき内容であると思います。

 

セラピスト教育のためのクリニカル・クラークシップのすすめ 第2版

 

今こそ変えよう臨床実習 ! 作業療法のクリニカル・クラークシップ(CCS)ガイド