熱戦を制した浦和レッズが9位に浮上(その2) | Purely Belter

熱戦を制した浦和レッズが9位に浮上(その2)

■多くのチャンスを作るも…勝点を得ることができなかった横浜FM

1日に行われたホームの柏レイソル戦は3-1で快勝、続くYBCルヴァンカップ準々決勝でもガンバ大阪を2試合合計7-1で下し、好調をキープして浦和戦に臨みました。しかし結果は1-2、手痛い敗戦となりました。

 

前半は15分過ぎから主導権を握り、立て続けに決定機も作りました。18分には長いパスに抜け出した仲川選手が右から折り返してFW伊藤翔選手のシュート、20分には天野選手のスルーパスに抜け出した仲川選手がシュートを放つも、GK西川周作選手が好セーブ。こぼれ球の遠藤選手のシュートも、DF岩波拓也選手の必死のブロックに阻まれてしまいました。

 

ここまで結果は出ていませんが、横浜FMは開幕からボールを大切にして攻撃を組み立てるスタイルを継続しています。流石に、GK飯倉選手を含めてのパス回しは控えているようですが、DFラインから丁寧に繋いでサイドを使うことができています。両サイドバックは特徴的なポジションを取り、天野選手はアイディアのあるパスでチャンスを作っています。思うように勝点を積み上げることができていないため迷いも生じるかもしれませんが、ブレずに継続することが大切でしょう。

 

もっとも、リードを奪われてからの攻撃は少し単調な感があります。この試合でも、終盤は左右からクロスを放る場面がありましたが、残念ながらゴールの予感はありませんでした。横浜FMの前線はヘッドに強い選手がいるわけではなく、ボックス内の人数もあまりいませんでした。そんな中単純なクロスを入れても、能力の高い浦和DFが簡単に弾き返してしまいます。サイドを基点とすることは良いのですが、もう少し工夫が必要でしょう。

 

思えば、この試合でもチャンスに繋がったのはグラウンダー性のボールでした。同点ゴールの場面もそうですし、前半18分の仲川選手から伊藤選手へのボールもそうでした。H.ヴィエイラ選手は足元に入ったボールをシュートまで持ち込むのが巧いですし、伊藤選手は低いクロスを相手DFよりも早く触るのが得意。サイドからのボールも工夫があると良いと思います。

 

■この試合を引き締めた両チームの"守備の要"

両チームとも良さを出す中、守備陣の奮闘も目立ちました。個人的に取り上げたいのが、横浜FMのDFチアゴ・マルチンス選手と浦和のGK西川周作選手です。両選手とも良いプレーを披露しました。

 

先月加入したばかりのT.マルチンス選手はこれが5試合連続のスタメン出場となりました。加入後から横浜FMのDFラインに安定感をもたらし、この試合でも安定したプレーを見せました。前半17分には興梠選手へのパスを素早い出足でカットし、その直後もマルティノス選手の鋭いロングパスをヘディングでカットして相手のチャンスの芽を摘みました。

 

DFのポジショニングは、マーカーへのパスをカットできる位置に取るのが原則。T.マルチンス選手は見事なインターセプトを見せていました。7月までは中澤佑二選手とミロシュ・デゲネク選手のCBコンビでした。いずれも高さがある優れた選手ですが、スピードに難があり、高いラインの背後を突かれることが多くありました。T.マルチンス選手はスピードもあり、守備力も非常に高い。今後も横浜FMの守備を支えてくれることでしょう。

 

浦和のGK西川選手も見事なプレーを見せました。前半の仲川選手のシュートを左足でセーブした場面、後半37分に伊藤選手のヘッドをセーブした場面は見事でした。また、ボールをキャッチした後に素早いフィードを送るなど、攻撃の起点にもなっていました。綺麗なフォームから繰り出される左足のキックは西川選手の持ち味。この試合でも健在でした。

 

一時期は日本代表の正GKも務めていた西川選手ですが、調子を落し、先の2018 FIFAワールドカップのメンバーからも落選しました。先日の森保一新監督の初陣メンバーにも含まれませんでした。中村航輔選手やシュミット・ダニエル選手の台頭もあり、日本代表GKの争いは熾烈となっています。西川選手の現在の序列は低いのかもしれませんが、この試合のようなパフォーマンスを続ければ、再び代表に招集されることでしょう。

 

■熱戦のあとで…

ところで、試合後、司法修習の同期で「トリコロールメンバーズ」でもある友人たちと共に、ピッチ脇に入ることができました。熱戦が終わった直後のピッチに近づくことができ、とても貴重な経験でした。改めて御礼申し上げます。

 

試合直後の日産スタジアムのピッチ。次はベガルタ仙台とのゲームで使用される。

 

 

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