首位・柏に完敗…残り5試合で全力を!!(その2) | Purely Belter

首位・柏に完敗…残り5試合で全力を!!(その2)

■徐々に攻勢を強めた柏が4発を決めて快勝

試合の立ち上がりは、アビスパが攻守に良い形を作りました。攻撃面では2分に前川選手のパスを受けた松田選手がシュート。守備面では厳しくプレスをかけて柏の攻撃陣に前を向かせないよう対応できていました。

 

しかし、4分過ぎあたりから、徐々に柏がセカンドボールを拾うことができるようになりました。13分にはM.サヴィオ選手の左クロスをオルンガ選手が頭で狙うもわずかに枠外。直後のプレーではM.サヴィオ選手のグラウンダーの折り返しをオルンガ選手が合わせるも、アビスパDFがブロックしました。続く15分にはM.サヴィオ選手の右からのボールに瀬川選手がヘディングシュート、しかしこれはバーに阻まれました。

 

前半10分過ぎからの立て続けのチャンスメイクで攻撃の感覚を掴んだ柏は、25分に先制ゴールを奪います。三原選手からのロングボールを受けたM.サヴィオ選手がオルンガ選手に落し、オルンガ選手はDFを引きつけて、左サイドを駆け上がった江坂選手へ。ボールを受けた江坂選手が豪快に左足を振り抜き、柏がリードを奪いました。江坂選手はこれでシーズン二桁となる10ゴール目となりました。

 

その後も柏の攻撃が続きます。33分のオルンガ選手のシュートは、アビスパのGKセランテスがスーパーセーブで凌ぐも、36分には江坂選手のスルーパスに抜け出したオルンガ選手がゴールを決め、これで2-0としました。その後もM.サヴィオ選手や江坂選手を中心にアビスパゴールを脅かした柏は、2点をリードしてハーフタイムを迎えました。

 

後半に入ってからも柏の勢いは止まりません。4分には瀬川選手の左からのクロスを、篠原選手が胸で処理しようとするもトラップミス。これを逃さなかったオルンガ選手が強烈な左足シュートを突き刺し、あっさりと3点目を奪いました。試合下の4点目は33分でした。ロングボールをキープした瀬川選手が中央のM.サヴィオ選手へパス。これを受けたM.サヴィオ選手がコースを狙ったシュートを沈め、4-0としました。

 

■J2屈指の攻撃陣が大爆発 柏のJ1昇格は目前!!

チームの大黒柱であるFWクリスティアーノ選手を欠いての戦いでしたが、その不在を感じさせないほどの攻撃力を見せつけました。ケニア代表のオルンガ選手は、足元でボールを受けても、縦に抜け出しても、質の高いプレーを披露し2ゴールを決めました。

 

前線の選手は勿論、中盤やDFラインの選手も頻繁に攻撃参加し、柏は分厚い攻撃を仕掛けることができていました。M.サヴィオ選手は強靭なフィジカルを活かし、前を向いてからの積極的なプレーが光りました。特に印象的だったのが前半39分のプレー。アビスパDFのファウルを受けながらも逆に相手をなぎ倒して前を向いて攻め上がったプレーは衝撃的でした。

 

昨季は悔しい降格を味わった柏ですが、主力選手の移籍を最小限に抑え、豪華な布陣でシーズンを迎えることができました。そこにネルシーニョ監督の戦術が浸透し、ここまで攻守両面で安定した戦いを続けています。サイドの選手は時に中央に入り、空いたスペースを両サイドバックがオーバーラップ。中盤の選手はバランスを取りながら時に攻撃に顔を出す。個人としてもチームとしても質が高いです。

 

これで勝点を75とした柏は、次節にもJ1復帰が決まるかもしれません。次節の大宮アルディージャ戦に勝利し、2位の山形と3位の横浜FCが引き分け以下に終われば、柏のJ1復帰が決まります。その上で、6日に行われる大宮とアビスパの一戦で大宮が引き分け以下に終わると、柏のJ2優勝も決まります。次節決定するかは兎も角、これまでの柏の戦いぶりを見ると、J1昇格はほぼ100%決まったといえるでしょう。

 

■攻守に圧倒されたアビスパ 来季以降も苦戦は必至か

この試合のアビスパは、開始から3分間は攻守に良さが出ました。逆にいえば、残りの87分間は防戦一方となり、柏に圧倒されました。先日、レスター・シティがサウサンプトンに0-9で大勝する試合がありましたが、この試合がそうなってもおかしくありませんでした。それほど両者には差がありました。

 

昨季までとは一転、今季のアビスパが下位に沈むことになったのには多くの原因が考えられます。大きな要因として考えられるのが、あまりにも急に若返りを図ったことです。昨季限りで駒野友一選手と山瀬功治選手という元日本代表のベテラン選手が契約満了となり、DF岩下敬輔選手もレンタルで移籍。いずれもピッチ内外でチームの力になれる選手でしたが、今季のチームのプランには含めず、新天地を求めました。

 

逆に多くの若手選手が加入しましたが、率直にいって、J1昇格を目指すチームでレギュラーを獲得する力のある選手は、前川選手くらいでした。その他の選手も将来有望ではあるものの、現時点で即戦力とするにはあまりに厳しいものでした。案の定シーズン序盤から苦戦が続き、早々とJ1昇格の望みが消えました。少なくとも、駒野選手や山瀬選手から実力で定位置を奪うことのできる選手が出るまでは、彼らを残すべきでした。

 

勝利が遠ざかり下位に沈んだことで、チームは自信を失い、どのようなサッカーをすべきかスタイルを見いだせないままシーズンが終わろうとしています。昨季までの井原アビスパは、攻撃のバリエーションに乏しい感もありましたが、それでもリーグ屈指の守備陣は安心感がありました。また、その前のマリヤン・アビスパは、J1昇格争いにこそ絡めませんでしたが、攻撃的なスタイルを貫きました。今季のようなカラーのないアビスパはとても久しぶりのことです。

 

シーズンも残り5試合。昨日の試合で最下位のFC岐阜が敗れたことで、アビスパのJ2残留の可能性はかなり高くなりました。もっとも、今季が失望の多いシーズンであったことに変わりはなく、残り試合では、来季に繋がるパフォーマンスを見せてほしいところ。しかし、アビスパの課題は山積み。今オフもメンバーの入れ替わりが予想され、難しいチーム作りを強いられそうです。再びJ1の舞台で戦うアビスパを見たいですが…。

 

攻撃陣が爆発した首位・柏。J1昇格とJ2優勝のカウントダウンが始まっている。

 

 

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