高断熱デザイン住宅お任せブログ

優れた環境性能と美しいデザインを併せ持つ家づくりに邁進する一設計者のつれづれ日記

縄文人と弥生人のコラボレーション

2019年05月06日 | 建築探偵団

令和の10連休も、もう終わりですね。

皆さんは、どこか行かれましたか?

私はちょっと群馬の山の中を散策してきました。

そこで、たまたま「富澤家住宅」というのを見てきました。

明治期の養蚕農家ですが、土間と高床が半々という当時の典型的な農家です。

この「土間」と「高床」が混在する住居というのは、日本独特の住居形態で、「土間」は縄文、「高床」は弥生を意味しています。

もし、弥生人が支配民族としての渡来人であったなら、「土間」を混在させることはなく、高床一辺倒になるはずですが、弥生人は、大陸の色々なところから流れてきいるのですが、主に江南の長江河口域で水田稲作を担っていた倭族が黄河文明を担っていた漢族に追われ、逃れてきた人たちが多く、水田稲作を普及させながら少しづつ縄文人と混じっていった様なのです。

水田稲作が北九州から関東まで普及するのに700年ほどかかっている様ですから、縄文人達は結構、抵抗していた様なのです。

15,000年もの間、大きな争いごともなく過ごしていた縄文人には、稲作によって血なまぐさい争いを始めた弥生人達の生活を受け入れるには、確かに抵抗があったのかもしれません。

それでも、「土間」と「高床」の混在が示しているのは、平和裡にお互いを受け入れていった、という歴史なのです。

「富澤家住宅」は、そうした歴史を物語る典型的な農家で、デザイン的にも素晴らしいものがあります。

バナキューラーな建築というのは、正にパッシブデザインそのものであり、富澤家住宅は、正にバナキュラー住宅の美しさを体現した素晴らしい住宅でした。

もし、機会があったら、皆さんもご覧いただければと思います。

1帖の収納に書斎を設ける

2019年03月22日 | 空間の詩学

なんて久しぶりのブログ!

忙しくなってしまうと、それっきりになってしまうのがブログ。

自分のルーティーンとして決めておかなければ、続けられない!

心してかからねば、、



さて、先日、友人がマンションを買うというので、内覧会にお付き合い。

傷だの汚れだのチェックしてあげたが、

クロス貼りの壁というのは、その現場に入るクロス屋さんの腕次第だ!

クロスは兎に角、腕の良し悪しがハッキリ出るし、

腕が悪いと、「全部張り替え!」と叫びたくなるほど下手くそだ。

たまたま、友人が買った部屋はなかなかいいクロス屋さんで良かった。

さて、マンションというのは、もう決まりきったプランになってしまうから

別に感動する様なものに出会うことなどないのだが、

ここで見た「1帖の収納に書斎」というのは、

何か涙ぐましい感動を覚えた。

何てことはない、リビングに面して引き違い戸のついた1帖分の納戸の左側を収納とし、

右側に机をつけて書斎コーナーとしているのだ。

これなら机の上を散らかしていても、戸を閉めてしまえば、急の来客でもOKだ。

使うときは、戸を引いて、椅子を出して使い、

終わったら、机の下に椅子を仕舞って、戸を閉める。

半畳しかない書斎がちゃんと機能するのだから、

究極のミニマル設計、マンション恐るべし、という感じだった。

一戸建ての注文住宅の設計に慣れてしまっていると、

ここまで突き詰めた設計にはちょっと感心させられてしまった。

今度、機会があったらこのプラン使ってみよう、、。




家具コンペ当選案

2017年08月28日 | 旬話考


以前、家具メーカーのコンペに当選してベトナムに行ってきたお話をさせて頂きましたが、
今日は、当選した家具について、お話をさせて頂きます。

課題は「ダイニングテーブル」です。

ダイニングテーブル、って、通常は4本足のついた板に過ぎません。

この極めてシンプルなものをどうデザインするのか???

簡単そうで、これがなかなかの曲者なのです。

デザインのポイントは、まず、4人掛けのテーブルに座った時に、テーブルの足が座った人の足腰に邪魔にならないこと。

そして、使用していない時に4脚の椅子がテーブルの下に納まること。

あとは、規定の荷重を上から、横から掛けた時に倒れたり、ガタつきが起きないこと、というのがありますが、そんなもんです。

要するに、柱脚をどうデザインするか、ということなのです。

色々やってみると、テーブル下で柱脚に使えるスペースというのが、非常に限られていることが分かります。

だから、大抵のテーブルは単純な4本足となる訳です。

しかし、「建築家がデザインする〜」というコンペですから、そこがミソであると考えました。

私的には、建築の美しさは構造の美しさにある、と思っていますので、構造の美しさをそのままシンプルに表現できないか、と試行錯誤しました。

そこ結果がこのダイニングテーブルです。


「船橋建築塾フォーラム」開設のお知らせ

2017年07月29日 | ときめきの家づくりレシピ




以前は、定期的に、家づくりについて学びたい、という方々を対象に「船橋建築塾」なるお茶会みたいなものを開いていたのですが、私が多忙になってから、全然開けなくなってしまいました。

私共の事務所が高気密・高断熱住宅専門の事務所であるため、全国各地から問い合わせを頂く、という状況もあるため、少しでも皆さんの質問に答えたり、家づくりをお考えの方々が自由にお話しできる場を作れないか、と考えていました。

そこで、考えたのがこの「船橋建築塾フォーラム」です。

これは私のサイト上に開いたもので、一応、登録参加型になっておりますが、登録者情報は私も確認できないようになっていますので、気軽に参加して頂ければと思います。

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ベトナムに行って思った事

2017年06月06日 | 旬話考
🌠

たまたま家具メーカーのデザインコンペに応募したら、
当選してしまい、ベトナム工場での試作品を見に行ってきた。

ベトナムは今、暑い。気温のことではない。熱気があるのである。

ホーチミン市の通りという通りはバイクで溢れているが、
近代的な高層ビルがどんどん建っている。

市内では日本のODAで地下鉄工事が行われており、
郊外には日本と全く同じイオンモールがある。

中国から移ってきている企業も多いから、日本のレストランも多く、
日本文化は相当ベトナムに浸透しているようだ。

日本がベトナムの発展に貢献しているのは勿論良いのだが、
何か文化的な侵略をしている感じがするのは私だけだろうか? 

郊外に出れば、まだ緑豊かな農村風景が見られるが、
メコン河河畔に行けば、観光船がフル稼働だ。

グローバル化は避けられないにしろ、そうした中で独自の文化をどう保つか、
問題意識を持たなければ、「文化」は容易く失われていってしまう。

長い戦争で多くのものが失われてしまったベトナムこそしっかり考えて欲しい。
海外のお洒落な文化に飲み込まれてしまわないうちに、、

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