令和の時代の体験

いつも秋田内陸線を応援していただき、ありがとうございます。 吉田です。

以前のブログ(その25)でご紹介しましたが、日本政府観光局が海外向けに
発信した 日本で体験すべき100選 に、「秋田内陸線体験」が選ばれました。

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掲載サイトURL 
https://www.jnto.go.jp/brochures/eng/index.php?publisher%5B%5D=1&jnto_category%5B%5D=101&keyword=++100+Experiences+in+Japan+


JRグループの豪華クルーズ列車3本柱の「四季島」、「ななつぼし」、「瑞風」体験と
合わせて、鉄道コンテンツのひとつとして選ばれましたが、ローカル鉄道ではひと
つだけでした。
先日、このサイトを見て訪ねてきたというマレーシアからのお客様がいらっしゃい
ました。 本当にありがたいことです。

100選をすべて見てみましたが、私たちが観光を通じて理解してきた「体験」の概
念や定義が大きく変わっている、と感じました。



日本が元気だった昭和の大旅行時代、
旅は団体を中心としてこぞって「有名観光地、有名旅館」を目指すスタイルが主流でした。 
皆が行くところに自分もいく、という行動パターンです。 
消費そのものが右ならえ、の時代でした。

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平成にはいると、ニーズはより細かくなり、個人型、自由形、テーマ型など、多様な
時代を反映した新たな旅のスタイルが出来上がりました。

さらに、ネット、ITの進化による情報通信革命が、旅のスタイルを劇的に変化させま
した。 選択肢が格段に増えた「個の選択」の時代の到来です。

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同じ時期に、
全国の自治体がこぞって観光誘客に乗り出しました。
2003年に当時の小泉政権下で打ち出された「観光立国宣言」がきっかけになり
ました。

人口減少問題で地域と国力の弱体化が予見される中で、課題解決の柱として「
観光の力による交流人口拡大」が掲げられ、国が大きく旗を振りました。
観光によって、経済を活性化させ、雇用拡大を図り、地域力、そして国の力を
維持し伸ばそうと考えたのです。

温泉、自然景観、名所旧跡、歴史物語などの有力な観光資源に乏しい多くの
地域では「体験型観光へのシフト」をキーワードにとした「体験メニュー」がごぞっ
て開発・企画されました。

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・農林漁業を主軸とした体験や宿泊、
・陶芸、絵付けなど工・民芸品づくり、
・土地のお菓子や郷土料理づくり、
・アウトドアやスポーツ体験

・・・・・などの体験メニューが全国に溢れました。

そして、SNS全盛の令和の時代、情報の高度化と社会の複雑化が加速する中で、
旅する人は外国人、日本人問わず、自分だけの楽しみ方を探してます。
ガイドブックに載っている有名観光地、食事処はむしろ敬遠され、地元の人がいく
穴場的な店を探し、自分だけの発見や感動を求めるようになっています。

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・ここだけ、この土地ならではの体験
・大切にしたいのは自分らしさ
・今の時期だけ、今年だけの風景、味
・安らげる時間


このうように、一人ひとりのテーマの違いがより明確になり、キーワードが変化し
続けています。

話を戻しますが、「今の時代の体験」について、内陸線が提供できる体験価値
は何だろう? と考えてみました。
 
ひとつの例として、
沿線の売りである「四季折々のきれいな景色」に重ねることができる、「この地域
ならでは」や「この地域らしさ」をつなげてみました。

〈体験験その1〉
 阿仁合駅(あにあいえき)から徒歩8分の「専念寺(せんねんじ)」
 ここにある振り向き如来像に向き合い、 自分を励まし元気づける時間体験
   日本でここだけの「つまづいた姿、後ろを振り返っている観音様」
   観音様でも失敗するんだよ、1度や2度の失敗でくじけないで、というメッ
   セージを持っています。
   江戸の時代、日本一の銅山があった阿仁には、全国から過ちを犯した
   わけありの炭鉱夫が数多く集まってきたそうです。
   そういった人たちをなぐさめ元気づけるためにつくられた観音様だと言
   われています。 左甚五郎の作となっています。

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〈体験その2〉
 しあわせの駅、阿仁合でしあわせのカツサンドをほおばる体験。

  ランチはこれ!   全国で唯一?の駅舎をデザインしたカツサンド。 
  麻木シェフの手作りサンドで、その味は折り紙付き。
  美味しかったらお土産にもどうぞ。
  ただし販売は1日限定6食のみ。
  選べるドリンク付きで1,080円(込)です。

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〈体験その3〉
  阿仁土産の決定版、マタギナガサに触れる体験。できれば買う(注文する)
   荒瀬駅近くの「西根打刃物店」を訪ねる。
   マタギの命を守ってきた守り刀「ナガサ」。
   魔除けや厄除けに効果があるとか。 
   口コミ購入多数の逸品。
   外国人も購入に訪れる「全国でここだけ」の地域土産。

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〈体験その4〉
  おやつはやっぱりバター餅。

   マタギさんのネタが続きますが、マタギが山に入るときの携行食として食され
   てきたものです。 小腹がすいた、疲れたときに効果抜群のご当地定番スイ
   ーツの代表格。
 夏は凍らせて食べるのが地元流です。(冬でもイケます)

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〈体験その5〉
  主人がマタギをしているマタギが主役の宿「松橋旅館」。
  マタギによって代々受け継がれてきた宿で、雰囲気にどっぷり浸るには最適
  な空間です。

   比立内駅(ひたちないえき)から徒歩10分。
   館内全体の雰囲気も、素朴な山の幸がふんだんの地元料理も、人も、マタ
   ギの生活そのままを五感で感じられる地域随一の宿です。
   雰囲気たっぷりの囲炉裏で山菜や川魚、鳥獣鍋に舌鼓を打ち、ご主人や
   おばあちゃんのお話を聞くことができます。

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今回はほんの一部のご紹介にとどめますが、

・ここだけ、
・ならでは、
・私だけ、

見つかりましたか ?