BL出版 1600円+税
川辺の木々と、川面を渡る風と光が、言葉の調べと色になったのでしょうか。きっとそうにちがいありません。
木々も川も風と光になり、光は美しい色のストロークになり、木々と川を偲ばせます。そこにある以上にあったものを。たぶんボートが好きなうえださん(植田真)の印象に残っていた、木々や川面の輝きだったのでしょう。
ふと「新印象派」とつぶやいていました。後期印象派の言葉は聞きますが、光の印象だけではなく、こころに残っている印象も感じさせた絵を、私はそう呼んでいました。むろん物語はあります。リスがボートで一緒に海に行こうとカエルをさそいにいきます。友だちの約束でしたから。でもカエルはカエルでリスを訪ね……。ふたりが出会ったときは夜がせまり、二人は空の色が変わっていくのを見つめます。それはまるで旅をしているようでした。
木々も川も風と光になり、光は美しい色のストロークになり、木々と川を偲ばせます。そこにある以上にあったものを。たぶんボートが好きなうえださん(植田真)の印象に残っていた、木々や川面の輝きだったのでしょう。
ふと「新印象派」とつぶやいていました。後期印象派の言葉は聞きますが、光の印象だけではなく、こころに残っている印象も感じさせた絵を、私はそう呼んでいました。むろん物語はあります。リスがボートで一緒に海に行こうとカエルをさそいにいきます。友だちの約束でしたから。でもカエルはカエルでリスを訪ね……。ふたりが出会ったときは夜がせまり、二人は空の色が変わっていくのを見つめます。それはまるで旅をしているようでした。
物語絵本にありがちなリスとカエルのアップはありません。すべて遠景ですすみ、終わります。凡庸な編集者であれば「ここはカエルの表情が分かるように大きく描いてください」というでしょう。
絵本は物語に寄りかからず、テーマーに寄りかからず、美しい言葉の調べを、光と風を描いていきます。絵本の新世代を感じさせる絵本です。
ナンセンス絵本のテキストを仕上げ、某社へ送りました。1ページ1語の試みです。
「遠景」の良さもありますよねえ。「凡庸な」・・なるほど。
1ページい語、おもしろそうですね。楽しみです。「ボートが好きな」はその昔、日本船舶振興会ですねえ。
近景は、花の八十代です。(^0^)
遠景だけで。
今朝、散歩しながら植田さんの絵本を考えていたら「言い切らずして何かある」という言葉が浮かんできました。そのような世界でした。