抗血小板薬と脳血管内治療 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

しばらくぶりですね。

 

パーキンソン病にiPS細胞を使う治療がついに京大で実施されたので、

そのことを書こうかと悩みましたが、とりあえずは予定通りこのテーマを書ききってしまおうと思います。

 

特に脳梗塞の既往や、特段リスクがあるわけでもないのに、

抗血小板薬を飲まなければいけない状況が一つあります。

 

それは脳血管内治療の際です。

 

脳血管内治療では脳の主要血管の奥深くまでカテーテルを進める必要があります。

首のあたりには2-3mm径のカテーテルが留置されますし、1mm弱の細いマイクロカテーテルは脳の主要血管にまで到達します。

 

これらのカテーテルは生体にとっては異物なので、

血小板が凝集する要因となりえます。

 

つまり、カテーテルが血管内にあると、その周辺で血栓という血の塊が出来やすく、

それが出来てしまうと、その場で血管を詰まらせてしまったり、先に流れていくことで、より末梢の細い血管を詰まらせてしまい、

脳梗塞の原因となるからです。

 

脳梗塞は脳血管内治療においてもっとも注意すべき合併症です。

 

そこで、治療前から抗血小板薬を飲むことで、治療当日に血栓ができにくくする必要があるのです。

そこで、どのような飲み方をするかについてはまた次回に続きます。

 

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