脳血管内治療前の抗血小板薬ローディング | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

前回の記事は、脳血管内治療の直前にもし抗血小板薬の効きが悪いことが分かったらどうするか?

 

という問いかけで終わりました。

答えはわりとシンプルで、抗血小板薬を追加することになります。

 

そのときに新しい薬を追加するか、

もしくは同じ薬の量を増やすか、の2つの選択肢があります。

 

もしクロピドグレルとアスピリンを十分量十分期間投与しているにも拘わらず効果が少ないのであれば、

それはその患者さんがそれらの薬剤に耐性があるということになります。

この場合、同じ薬の量を増やしてもあまり意味はありません。

増量は、それまでの内服量が不十分だった場合にのみ有効と言えます。

 

当院のように、Verify nowを使って抗血小板薬の効き目をチェックしている場合、

効き目が把握できるのはバイアスピリンとクロピドグレルの2種のみになりますので、まずはこの2種を内服してもらい、

もし効き目が悪かった場合には、シロスタゾールを追加するようにしています。

 

どちらか片方でも効き目が悪ければ、私はシロスタゾールを手術の前日から開始しています。

 

病院によってはさらに倍量くらいのバイアスピリンとクロピドグレルを投与するというところもあるのですが、

これは倍くらいの量では効果がない場合もあると思います。

アジア人の2割弱はクロピドグレルは遺伝的に耐性があるので、その場合はよっぽど量を増やさないと効かないのではないかと思います。

そういったわけで、私はシロスタゾールを追加するようにしています。

 

ただし、これらは予定手術の場合のみ可能な抗血小板薬のマネージメントですよね。

 

緊急で血管内治療が必要になった場合は、そもそも手術前からの内服なんて出来ません。

そういったときにどうするか?は次回に続きます。

 

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