頭痛の話3 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

一次性頭痛の話を書いていきたいと思います。

特に命に係わるような脳の病気を伴わない頭痛、とご理解ください。

 

その代表が、

緊張型頭痛と片頭痛です。

 

世の中に言葉として非常に浸透しているのは片頭痛で、一方の緊張型頭痛は実はそれほど知られていません。

 

どんなタイプの頭痛だったとしても、定期的、もしくは持続的に普段から頭痛があると、

それら全てを片頭痛だと認識している人が多いように感じることもあります。

 

しかし、実際のところ、いわゆる片頭痛というのはそう多くはありません。

頭痛の原因として、頻度的に最も多いのは緊張型頭痛です。

 

まずはこの最多の緊張型頭痛のことから書いていきますが、

これは後頭部~後頚部~肩の一連の筋肉群の疲労や筋緊張からもたらされる頭痛です。

 

一般的に言う、肩こりや首こりが原因の頭痛ですね。

 

特徴としては、頭全体が締め付けられるような頭痛、目の奥が痛むような頭痛で、

一日中ずっと重くぼんやりと痛いのが続くが、我慢できないほどの痛みでないことがほとんど、というものです。

そして典型的には夕方ころになると症状が悪化します。

 

夕刻に症状が悪くなるのは、朝からずっと重たい頭を支えていた筋肉群が疲れてくるからなのですね。

この頭痛はつまり、ほとんど疲労や筋群の緊張が続くことで起きてくる頭痛です。

 

たとえるならば、ずっとスマートフォンやPCをいじっていると前腕の腕橈骨筋がこってきますが、それと似たようなものかもしれません。

重い荷物を長時間持っていても前腕の筋群がだんだん張ってきますよね。

程度は違いますが、後頭部~後頚部周辺の筋群は重たい頭を1日中人間が起きている限りは支え続けているので、

同様に疲労がたまって当然といえば当然です。

 

猫背の人はより頭を支える際の負担が増えるので、この頭痛が起きやすいです。

また、頚椎の形状によっても負担が大きい人とそうでない人がいますね。

 

適宜それらをストレッチしてほぐしてあげたり、横になって頭の重さから解放してあげなければいけません。

他には、温めて血流を上げたり、全身運動で代謝をあげることで緊張やこりはある程度改善します。

 

つまりは、この緊張型頭痛には特効薬はないんですね。

いわゆる生活指導が中心になります。

もちろん、頭痛がひどくて辛いという方には痛み止めは出しますが、それは対症療法でしかないんですね。

 

さて、長くなってきたので、次回に続きます。

 

 

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