頭痛の話 5 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

しばらくぶりの投稿になります。

前回は緊張型頭痛のことを書きました。

 

今回は片頭痛について書きたいと思います。

しかしながら、この片頭痛というのは、こうやって記事を書くには非常に厄介な頭痛なんですね。

 

というのも、分かっていないことが多すぎるんです。

脳血管の拡張が原因とされていて、いろいろな分子に関する研究が行われてはいるものの、

そのメカニズムも未だにはっきりとはしていません。

 

そのため、僕ら頭痛を専門として扱う脳神経外科医も片頭痛についてはあまり具体的なイメージを持っていないのです。

少なくとも私はそうです。

 

加えて、片頭痛の頭痛というものがどういうものなのか、私本人は知りません。

教科書で読む典型的な片頭痛の特徴を知識として知っているだけで、

それがどのようなものなのか体験したことがないのです。

 

一般的に、拍動性の脈打つような頭痛で、痛みの強さにも波があり、痛みのピークは数時間と言われています。

頻度は人それぞれ。数か月に1度の人もいれば、2日に1人の人もいます。

片頭痛という通り、頭の片側だけが痛い人もいれば、両側が痛い人もいます。

頭痛の前に閃輝暗点と呼ばれる特徴的な視野異常が出る人もいます。

ワインなどポリフェノールを摂ると頭痛が誘発される人もいます。

 

こういった片頭痛に伴う様々な特徴は、どれも知識として知っていても実際に体験してみないとなかなか実感が湧かないものです。

いつまで経っても片頭痛について、なにか漠然としない印象をもってしまうのは、そのためなのでしょう。

 

また、一概に片頭痛と言っても、個人個人で全く程度が異なります。

上に挙げたような特徴を全て持つような人はほとんどいません。

1つ、もしくは2つでもあれば、片頭痛かなぁ?となるような感じです。

 

緊張型頭痛との最も実用的な見分け方は、

頭痛がどの程度の長さ、どのくらいの強さで続くか、です。

たとえば、同じような痛みで1日中だらだらと続く頭痛であれば、それは緊張型頭痛寄りです。

肩や首のコリがあって、圧痛点があれば恐らくは緊張型頭痛で、首肩の筋群由来の頭痛でしょう。

他には緊張型頭痛の場合は、頭全体を圧迫されるような、締め付けられるような頭痛と表現されることが多いです。

一方、数時間の強い痛みのピークがあり、持続的な頭痛というよりは拍動性の頭痛であったり、特徴的な前兆を伴う、

いわゆる発作のような頭痛の場合は片頭痛寄りです。

 

次回は片頭痛の場合の治療薬について続いて書きたいと思います。

 

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