case2: 悪性脳腫瘍と診断された40歳男性 2 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

久しぶりの更新となります。

前回記事を忘れてしまった人の方が圧倒的に多いと思いますが、

続きを書いていきたいと思います。

 

仕事の内容がおかしいということで上司に病院受診を勧められた40代の男性患者の話です。

 

Bさんはもともと勤勉な方で、真面目な仕事ぶりが会社でも評価されていました。

しかし、あるころを境に、取引先との打ち合わせを忘れてしまう。

期限内にまとめなければいけない資料を忘れてしまう、など、その働きぶりが極端に悪化しました。

 

不思議に思った上司が病院受診を勧めます。

 

初診外来来院時、

Bさんは一見普通に見えました。しかし、奥さんの話では物忘れが増えたり、集中力が極度に低く、

ぼーっとしていることが家でも多くなっていたようです。

 

記憶力検査の長谷川式をとってみると、30点満点中、24点。

認知症と診断されるレベルに低いわけではないのですが、正常とはとても言えない数字でした。

 

早速、頭部MRI検査をオーダーします。

 

その結果、Bさんの左前頭葉には、誰がみてもはっきりとわかるほどの4-5センチ大の腫瘍性病変が見つかりました。

一目見るだけで腫瘍の顔つきが悪いことがわかります。

いわゆる、悪性腫瘍。脳そのものに浸潤していくタイプの腫瘍の疑いが極めて高いと考えられました。

 

次に造影MRI検査を行います。

造影剤を使用することで、それが本当に腫瘍かどうか、そして腫瘍としての悪性度が高いかどうか、がある程度判断できるからです。

 

その結果、腫瘍ははっきりと造影されました。

造影された腫瘍の形状はきれいな球形や楕円形ではなく、辺縁はぎざぎざと不整形でした。

 

これらの所見から、

脳外科医が瞬時に思い浮かべるのは、最悪の悪性脳腫瘍、膠芽腫です。

 

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