病院からの帰り道に咲くコスモス。
母が逝ったのは、ちょうど散りかけの頃でした。
疲れ果てたアタマに喝を入れてくれた花。
でも、今度の秋、この花を愛でることができる気がしません。
先日、親しい友人との食事の席で、母が闘病中に激励のメッセージを送ってくれた共通の知人の話になり、話の半分も終わらないうちに言葉に詰まり、かなり心が乱れてしまいました。
母を看取った地元の総合病院。
終末期医療にも対応する病院。
周囲には他に多種多様の施設があり、どうしても近くまで行かざるを得ないことがあります。
否応なしに視界に入る病院。
しかし、病院の正門、メインエントランス、そして母が最後の数日を過ごした病室があったフロアの外観は直視出来ません。
母の葬儀後、諸々の手続きを大慌てで片付け、
「出来るだけ早く<<新しい日常>>に...」
との思いでこの数カ月過ごしてきました。
先月末、抱えていた大きな仕事をひとつ終え、緊張が解けたせいか、急激に体調を崩してしまいました。
「なんとかは気から...」
と言われますが、弱気になってしまっています。
なんとか起き上がってキッチンに立つのですが、人参を千切りにしている最中に涙が溢れ出て、自分でもビックリしました。
手元を確認しても、人参。
玉ねぎじゃなく、人参。
困ったもんだ。