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政府、景気判断を下方修正 6年9カ月ぶり「回復」消える 戦後最長の景気拡大終了か 月例経済報告(毎日新聞)

 政府は26日、3月の月例経済報告を発表し、国内の景気判断を「足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」と下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大によって経済情勢が急速に悪化しており、2013年7月以来続いてきた「回復」との表現を6年9カ月ぶりに削除した。戦後最長とみられる景気拡大がすでに終わり、景気後退局面入りしていることがほぼ確実な情勢になった。

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まあ、「知ってた」っていう話なのですが、アベノミクスとやらの成果を四半期ごとのGDPなど(実質原系列)で確認してみましょう。比較対象は2012年10-12月期です。安倍政権の開始時期直前ですね。

+5.99% GDP
+0.29% 民間最終消費支出
-2.06% 家計最終消費非出のうち、持ち家の帰属家賃を除いたもの

というわけで、7年かけてこの有様です。酷すぎる。
よく言われるのは「他の政権だったらもっと悪かった可能性がある」という反論ですが、なぜ比較対象が目クソや鼻クソである必要があるのか全く理解できません。
我々が2012年末に安倍総理大臣・麻生財務大臣に期待したのは、鼻クソレベルの話ではありませんでした。本気で日本を救う政権だと思っていたのです。しかし、いつも言うように、アベノミクスが成果を挙げたのは2013年のただ1年だけでした。
2013年10-12月期(安倍政権の発足直後1年間の成果)は次のようになっています。

+2.74% GDP
+2.40% 民間最終消費支出
+2.61% 家計最終消費非出のうち、持ち家の帰属家賃を除いたもの

ね。

1年でこれなら、失われた四半世紀を考えればまだまだ足りないものの、まあ合格点です。GDP成長率はそこそこだし、民間消費も一緒に伸びています。しかし次の年に消費税を8%にするという暴挙により、全ては瓦解します。
2014年10-12月期(安倍政権発足から2年間での成果)は次のとおり。

+2.28% GDP
+0.42% 民間最終消費支出
+0.04% 家計最終消費非出のうち、持ち家の帰属家賃を除いたもの

そもそも「前年より下がる」ってどういうことですかね。
もちろん消費税による強制値上げのせいなのですが、つまり民間消費の実質値(我々が購入するモノやサービスの物量そのもの)は、2年経っても安倍政権発足時と比べて誤差レベルの微増ということです。GDPは発足当時から何とか+2%強を維持していますが、消費支出はゴッソリ落ちています。当たり前なのですが。

ちなみに、消費税増税前の2013年度と増税後の2014年度を比較すると、実質GDPは約1.83兆円マイナスですが、民間最終消費支出は7.83兆円という巨大なマイナスでした。その差額の6兆円を誰が埋めてくれたのかというと、まず大きいのは在庫変動(+1.93兆円)、そして純輸出(+2.97兆円)でした。つまり在庫積み上げと外国頼みで「何とかなった」のです。

再掲となりますが、7年間の成果は以下のとおりです。

+5.99% GDP
+0.29% 民間最終消費支出
-2.06% 家計最終消費非出のうち、持ち家の帰属家賃を除いたもの

GDPはそこそこ上がっているのでは?…などと寝言を言ってはいけません。
バブル後の停滞を吹き飛ばすには最低でも3%、できれば4%成長でも構わないと思いますが、3%成長ならば7年で23.0%、4%成長なら31.6%となります。安倍政権が救国の政権だったのならば、最低でも2割の成長が実現されている必要がありました。
ちなみにアベノミクスが唯一仕事をしていた2013年のペースなら20.8%です。これなら一応合格だったと言えるかもしれません。その場合の政府負債は今より多かったのでしょうが、鼻をほじりながら、


だから何なんですかぁ?


と言う他ありません。
国内を元気にし、非常時に備えた体力を様々な面でつけることで政府負債(というか通貨発行残高)が積みあがった。負債の裏には必ず資産があるので、それは国民が手にしていたということです。それで何か不満でも? 豊かな国で自分の所得が増えると、なぜか不安になる病気なんですか?
アベノミクス初年度のペースを維持し、消費税増税をせず、やれ成長戦略がどうのインバウンドがどうのと屁の役にも立たない話をグダグタやらなければ、日本経済はそれなりの再生を果たしていたということです。
なお成長戦略とは、所詮は「カネを出さずに知恵を出す」系の、ほぼ役に立たない、よくある話です。実際は「カネを出すことで知恵が出る」のですが。

冒頭の記事では、

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西村康稔・経済再生担当相は26日の記者会見で「従来続いていた回復基調が明らかに転換し、下降局面に入っているという認識だ」と述べた。

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という一文があります。
その、従来続いていた回復基調って何ですか。唯一言い訳に使えそうなのはショボい成長率のGDPですが、その程度で「回復基調」なのであれば、過去の政権だって(民主党期含めて)「回復基調」でした。別に安倍政権下で特段の成長などしていません。
そして内閣府の3月の月例経済報告では、表紙にこのようにあります。

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景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にある。

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景気悪化の第一の原因は、順番から言っても確実に「消費税」です。しかし基調判断の欄にも政策態度の欄にも消費税の文字は全く無く、

コロナコロナ感染症~

コロナコロナ感染症~

と元気に連呼しています。責任転嫁ができて、とても嬉しそうですね。
前にも書いたことを蒸し返しますが、安倍総理大臣は「リーマン級の事態にならない限り消費税は予定通り上げる」と何度も何度も繰り返してきました。もう公式にリーマン以上の事態であることを認めているにもかかわらず、消費税減税だけはやりそうにありません。
こんなものはゼロにすべきです。どうしても消費税をやりたければ、やたらと高い成長率によって国民生活に何らかの実害が出てきてからです。その場合ですら、消費税である必要はない。だってシステム改修が難しいじゃん。事務が面倒じゃん。(嘲笑)

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安倍首相、昭恵夫人の花見は「レストランの敷地内」(日刊スポーツ)

安倍晋三首相は27日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染拡大防止の一環で都内で花見の自粛が呼びかけられている中、昭恵夫人がタレントらと花見をしていたとする一部報道の真偽を問われ、会合の後、桜をバックに写真を撮っていたことを認めた。

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その程度の人数で桜を見ること自体の是非については論じません。しかし「常識的感覚」なら、やらないでしょうね。
この方が参加された場での感染の確率は、人数的にもほぼゼロに近いでしょう。とはいえ、

やめときゃいいのに…

というだけの話です。


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