叔母の急逝 | モダンと暮らす、カカと生きる

モダンと暮らす、カカと生きる

脳出血で右半身マヒ&失語症になっちゃった〝カカ〝。
甘えん坊の個性派ビーグル〝モダン〟。

この大切なふたつの宝物を守るべく、介護&家事&稼ぎにいそしむ、お気楽のんびり屋な〝トト〟。そんな仲良し家族の日々をつづります。


土曜は実家でモダンの整体。
その最中に家電が鳴り
何気なくトトが出たところ
「○○警察署ですが…」との声。

(お!振り込め詐欺か?)
と、戦闘態勢に入ったものの
予想に反して受話器の向こうから
「○○市にお住まいの
△△□□さんをご存じですか?」
との問いかけ。不意を突かれ
「あ、はい。叔母ですが…」
「実は△△□□さんがご自宅で
お亡くなりになられまして…」
「え?…(絶句)…」

聞けば朝方、認知症の叔父が
浴槽の中で顔を湯につけた
状態の叔母を見つけたらしい。
救急車が駆けつけたが
既に湯は冷たく身体は硬直し
亡くなっていたとのこと。
「お借りしたスマホで
息子さんと娘さんに連絡を
していますがつながらず
ご主人(叔父)を
このままにはできないので
どなたか来ていただけますか?」
とのこと。

すぐに飛んでいき、叔父を保護。
叔父宅を訪れたのは何年ぶり?
長時間の検死を待つ間
潔癖性だった叔母からは
想像できないほど散らかった
室内をゴミ袋を手に片付ける。
一部分だけ足の踏み場が
できた頃、ようやく従妹に
連絡がついた。電話の向こうで
震える声、そして号泣。

認知症の叔父はアルコール依存。
状況が理解できないまま
テレビを見ながら飲み続ける。
従妹の到着を待つ間
片付けつつ、近隣の斎場調べ。
カメラも上着も取りに帰れず
普段着のまま中座して
予定していた取材へ。

そして再び、叔父宅へ。
従妹は葬儀のことなど
右も左もわからない。一方で
寝て起きては騒ぎ立てる叔父を
なだめたり、叱ったり…。
結局、従妹をサポートして
諸事手配する役回りになった。

翌朝から慌ただしさが始まった。
葬儀の打合せ、寺への連絡諸々。
時節柄、親族のみの家族葬。
叔父を実家にいったん預け
合間で原稿を書き、通夜に臨む。
長男である従弟が到着したのは
通夜の終わった夜半。

そして本葬。
これまた時節柄、人数限定で
荼毘の場へ親族を送り出し
留守居の間に原稿を書く。
戻って初七日。

身の回りのことは一切できない
認知症の叔父を今後どうするか。
散らかり放題の自宅をどうするか。
何の準備もない納骨先は?
依存性になるほど酒に費やして
蓄えを使い果たした経済状況は?
何を考え、決め、どう動くか。
従妹にアドバイスしつつ
今まで棚上げにしてきた
すべての課題に
兄妹を向き合わせる。

共感も共通言語もなかった
疎遠な兄妹だけに
まだ何の見通しもついていない。
それでも、世間知らずなりに
この数年、必死で両親の介護に
心を尽くしてきた従妹は
通夜の席上、涙ながらに
実際に動いてきた者ゆえの
温かな挨拶で我々を感動させた。

ほとんど実家に近寄らず
現実を見てこなかった従弟も
本葬で挨拶をした。
口だけ番長の父親譲りで
そつなく流暢に言葉を重ねるが
そこから感じるのは空虚な響き。

大事なのは
何を言ったかではなく
何をしたか

またここでも
カカがよく口にしていた言葉が
よみがえってくる。

これまでも、近くにいつつ
年に1-2度、会うか
会わないかだった叔父叔母。
従妹とも四半世紀ぶり
従弟とは実に40年ぶりの再会。

それでもね、これを機に
血のつながった者同士として
新しい関係を作っていけたら
良いのではないか?

秘密主義で高潔だった叔母は
弱みを身内には
見せたくなかったのだろう。
そんな母の思いを知る従妹は
誰にも相談できず
唯一、ケアマネに頼って
認知症の父と
晩年身体が不自由になり
満足に家事ができなくなった母を
入居させるため
派遣で働く合間に施設を探し回り
食料補充や生活介助のため
実家に足を運んでいたようだ。

従弟にも、実家から足が遠のく
理由があったのだろう。
全ての理由は、正しい。
その上で
それぞれが自分事として
向き合わざるを得ない
人生の宿題がある。

必要なサポートはしても
人の宿題はとらない。
それがトトのスタンス。

向き合った結果として、たとえ
思うような流れにはならなくても
逃げずに向き合うところに
意味があるからね。

従妹よ、
自信をもて、あきらめるな。
従弟よ、
逃げるな、つくろうな。
いとこの年長者として見守り
時には加勢するから。
自分の宿題は自分でやるしか
仕方ない。
でも、どんなことだって
無駄なことなど何一つないから。

賢者は愚者に学び
愚者は賢者に学ばず

たまたまいた実家で
たまたま警察からの電話を
とったのも、叔母の采配(苦笑)?

トトにはトトの
叔母の想い出がある。
だから、せめてものご恩返しと
役回りを務めました。

合掌



◆トト飯

人が亡くなると、次から次へと
決め事ややる事が続いて
うっかり食べ損なってしまう。
体力以上に気力を保つため
食べられる時に、パワー注入!

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