夏目漱石が詠んだ「五月雨」の句の数々 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

今年の梅雨は、空(から)梅雨といった地域も多いが、降るところには恐ろしいほど降る。
通常、五月雨は、最初は空梅雨から始まって、長い「しとしと雨」が続き、
やがては集中豪雨ということも。
決して侮るべからず、というのが五月雨。
夏目漱石は、そんな特徴を捉えて五月雨を歌った句が多い。
このブログでも、何度か漱石の句を紹介したが、
彼の句は、基本的にユーモラスなものが多い。
その一つ、「五月雨ぞ 何処まで行っても 時鳥(ホトトギス)」
これなどは、よくあることだが、「しとしと雨」の中、どれだけ歩こうとも
ホトトギスの鳴き声がついてくる、そんな情景が思い浮かんでくる。
「五月雨や 小袖をほどく 酒のしみ」
「小袖」とは女性の着物。小袖に酒のシミがついているので、「ほどく」、
すなわち仕立て直したというもの。こうなったのも、
五月雨のせいですよ。
と言うのはね、こんなにも降り続いていると、外出どころではなくなって一杯。
気づいてみれは、こんなところに酒のシミがついている、
ま〜、悪いのは「五月雨」。
そんな女性の愚痴が聞こえてきそうでもある。
やがて、終盤になると、そんな雨も激しさを増してきて集中豪雨になったりする。
「水攻の 城(しろ)落ちんとす 五月雨」。
そして、ついには、雨のため橋桁まで落ちてしまって大変なことになっている、
というのが次の一句。
「橋落ちて 恋中(仲) 絶えぬ 五月雨」というもの。
恋心を抱いていた二人なのに、この五月雨のせいで橋が流されてしまい、
逢うこともできず、ついには破局に至ってしまった、
と読み取ることができる。
最後の二句は「五月雨」に対する誇張表現が、ちょっとユーモラスではあるが、
「ブラック」を内包したストーリーを秘めている。
それが漱石の持ち味。
すべて悪いのはこの「五月雨」。
ここ暫くは、恨めしく空を見上げる日々でもある...


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<了>