「ギュスターヴ・モロー展」についての2、3の事柄 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

「ギュスターヴ・モロー展」に出かけた。
もちろん好きな画家の一人である。
パリのラ・ロシュフーコー通りにあるモロー美術館にも訪ねたことがある。
そこは、かつての彼の居宅であり、彼の意識としては、
のちに美術館とすべきものとして作られていることがわかる。
工夫された展示など、あの空間には1万展以上もの彼の作品が収蔵されている。
内装のカラーと中央に据えられた鋳鉄製の螺旋階段は、
やはり彼の趣味を感じさせるもの。

パリから遠路はるばる訪ねてくれた作品に対する敬意で、
やはり、鑑賞しないわけにはいかない。
ギュスターヴ・モローは1820年代の生まれ、その世紀末に亡くなっている。
生まれとしては、ドラクロワの後の時代、印象派の前の世代になるだろうか。
一般的には象徴派の画家という呼称になっている。
時あたかもベルエポックの時代。
彼の作風はサロンでも人気を集め、社交界の話題でもあった。
そんな彼の元に通ったのがユイスマンスの小説『さかしま』の主人公のモデルとされた
ロベール・モンテスキュー伯爵。
ロベール・モンテスキュー

彼はアートに関しては多趣味で、造詣も深い。
詩も作れば、音楽にも詳しく、社交界の貴公子とされた人物。
その彼が、足しげくモローの元に通ったという話もある。
あくまでもウワサだが、降霊術のため、という話がある。
モローの作品としてはきわどいものも多い。
代表作として一般に知られている一つは『サロメ』。
かのサロメは、旧約聖書に出てくる女性だが、
その中では、母親にそそのかされ、洗礼ヨハネの首を所望したと記述される。
オスカー・ワイルドの作品などでは、もやは、サロメは思春期から年頃の女性とされ、
洗礼ヨハネに恋を募らせ、ついには恋がらみの果てに自らの意思で
ヨハネの首を所望した女性として描かれている。
モローの作品もその形を踏襲している。
そんな「キワドさ」が溢れる作品にこんな話も出てくる可能性もあるだろうと思う。



プルーストの著書にモローについて書かれた箇所がある。
その一部を抜粋すると、
「美術館で作品を鑑賞するのは作品にあらわれた『画家の思索』を見るためのもの。
モローは自身の責務の大きさと生命の短さを予感して自らの住まいを美術館とした」

彼の極めようとした世界に近づいた画家を他には知らない。

作品の一つ一つから『画家の思索』の
孤高の姿が透けて見えるようだ...


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<了>