♪いつか〜キミと行った〜映画がまた来る〜 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

わが大学時代は、映画を安く見ることができた良き時代だったとつくづく思う。
1970年代の前半から半ばに至る時代で、
もちろん、封切り映画館の料金は今とたいして変わらないほどの金額だったが、
いわゆる弐番館、参番館といった、何度か巡ってきた映画は、
非常に安かった。180円、200円、3本立ての映画で500円、
そんなものだった。
その当時ヒットしていたユーミン作曲の歌『いちご白書をもう一度』の
歌詞は、「♪いつか〜、キミと行った映画がまた来る〜」
という歌い出しから始まる。
封切館で公開されてからしばらくたって、上記のような安い映画館で上映される。
(「大毎地下」「阪急文化」「ビック映劇」「七藝」などが行動半径だった。)
ソフィア・ローレン主演の『ひまわり』やフェリーニの『道』『道化師』
などは3本立ての映画によく加わっていたために何度も見た憶えがある。
フィルム・ノワールような映画作品も多く、
大学をサボって過ごすには、もってこいの場所だった。
おかげで、フェリーニについて、詳しくなってしまった。
ある面、熱狂的なファンであったかもしれない、ついでに、今も。
彼の作品は、大きく3つに分類される。
『道』などに見る叙情的な作品。『ローマ』や『アマルコルド』などのコミカルな作品。
『8 1/2』などに見るつかみどころのない作品。
だけども、それぞれに感動をもたらす。その辺りが彼の不思議でもある。
登場人物は、それぞれに神経症的な側面を持っている。
それを「涙」とするか、「笑い」とするか?それが彼の手腕でもある。
彼の映画作品には、グロテスクさを感じるほどの巨大な女性が登場する。
叙情的作品以外には必ず登場し、不思議な感覚を観客に与える。
この巨大女性は、彼の「夢」の中に現れると語っている。
泳げないほどの深みにはまっているところに
胖(ゆたか)な体格の女性が現れ、
すくい上げ、胸の中にかき抱かれる、そんな夢を数限りなく見たという。
彼の映画の中には、叙情的と言われている映画作品でさえ、
彼自身の神経症的側面やコンプレックスが表現されている。

わが大学生活に終わりを告げたシーンを思い浮かべるとき、
これらの映画館が持っていた退廃的なムードと、あの時の「匂い」がどこか漂ってくる。
そして、ソフィア・ローレンの、たらこのような唇が
「ひまわり畑」の景色とともに映像が蘇ってくる。
私の頭の中には、何故か、
ソフィア・ローレンと巨大女性が交錯して投影されている...


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<了>