ルーベンスの絵を見ながら、おぼろげに感じたこと | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

バロックを代表するルーベンスの画集を見ていた。
音楽にしろ、彼の生きた時代はバロック隆盛の時代で、
何にでも「バロック」がつけられたが、このバロックの意味は、
決して良いものではなく、真珠や宝石などのいびつな形のものを指す
ポルトガル語"barroco" から来ているという。
すなわち、悪く言えば、”歪(ひず)み”。良い表現をすれば"ゆらぎ"。
そんなあたりの言葉の意味となる。

『東方三博士の礼拝』

彼の代表作となると『東方三博士の礼拝』など聖画っぽいイメージとなるが、
わが意識とすれば、『悪魔憑きを癒す聖イグナティウス』を挙げたい。
これは、悪魔憑きの状態になった人々が描かれ、
精神科医などが写実の観点からデッサンを評価する向きがある。
彼が過ごした17世紀から19世紀に至るまで、神経症や精神病みが社会問題。
19世紀のフランスの作家ゾラに『パスカル博士』という小説がある。
これは、神経症を研究している「パスカル博士」が主人公。
精神的病や神経症は、遺伝として捉えていたようだ。
ゾラと同時代の作家ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』も
ある特殊な血脈を持つ一家の物語として描いているように、
遺伝や因縁や人間の業(ごう)として捉える考え方が主流だった。
ダーウィン『種の起源』も詰まるところ遺伝が根幹。
いい薬やはっきりとした治療法がない時代の考え方は、
遺伝でケリをつけるしかなかったとも言える。

20世紀初頭、フランスにデュボワ博士という著名人がいた。
彼の神経症に対する治療法は、できるだけ自然に即したところでの生活する隔離療法。
そこで静養すれば治癒できるというもの。
彼の言葉に「眠りは『鳩』のようなもの。追いかけないでいると寄ってくるが、
捕まえようとすれば逃げてしまう」
例がなんともおかしいが、睡眠には、そんなところとも言える。

昔に比べれば、現代人は、さらにストレスの多い社会に生きている。
自然に即した生活というワケにはいかない。
現代人は、ルーベンスの恰好の絵画モデルになりそうな気がする...


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<了>