「夢」を取るか、「現実」を取るか? | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

ロジェカイヨワの「夢」を表現した著書の中に
「夢が現実と競合するや否や、優位に立つのは夢の方であり、
人が反駁する気になるのはもともと現実の方である」などの文がある。
ちょっと難しい表現なので平易に表現すれば、
「人が夢と現実の間(はざま)で揺れ動いているような状況では、
現実の方に対して、否定したいような感覚を持つ」
すなわち、現実よりは、論理的にも整合性も持たない夢の方に気持ちが動く、
ということらしい。

それで思い浮かべるのはノヴァーリスの小説『青い花』の一節。
”ハインリッヒは長い接吻の後に「マティルデ」と呟いた。
マティルデは、夢の世界を見ているように、
「考えられないほど昔から、あなたのことを知っていたような気がします」”
というのがある。
現実的には、知り合ったばかりのマティルデとハインリッヒだが、
お互いに、「以前から知っていた」、という感覚が喚起され、
現実よりは、そういった非現実で論理性のないものを大切にしたいと考える。
人は夢と現実が交錯するようなところでは、
「夢」に優位性を与えるということを語っているような描写である。

人は、整合性より、論理性を持たない「夢」の方を大切にする傾向がある。
眠っている時に見る「夢」と、将来の希望を意味する「夢」は、
同じ「夢」という文字を使う。
アメリカのキング牧師に"I have a dream." の演説がある。
これは、白人と黒人がともに共栄するような、当時の現実にはない"Dream"を
語っている。だけども人は、そんな夢物語の"Dream" を、現実よりも希求する。

眠っている時に見る「夢」も将来の「夢」も、現実にはないものを表現する "Dream"。
人間にとって、不思議な魅力を持っているようだ....



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<了>