迷信とプトレマイオス地図、そしてTO図 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

古地図に「TO図」なるものがある。
これは8世紀ごろのヨーロッパで誕生し中世末期ごろまで使われていた地図。
これを考案したのはセビリャの神学者イシドールス。
世界の概略の構図が描かれているものだけれど、これに比べれば、
紀元150年ごろに誕生したプトレマイオス地図の方が、
遥かに正確で現代のものに近い。

TO図

「TO図」が概略ではあるけれど、地図であるから一応の東西南北はある。
丸い地図の上側が東となり、そこはアジア地域と表現されている。
左側が北。最果てが北海となり、海を隔てて右側がアフリカ。
アジアとアフリカを隔てているものが紅海となる。
それらの交点の中心地がエルサレム。
かつてあったとされるエデンの園はアジアの最頂点にあることになる。
大航海の時代が訪れるまでヨーロッパの人々の地図に関しては
おぼろげにこのような考えていたようだ。

一方、プトレマイオス地図はそれらの概略図と比較にならないほど。
まさに地図であった。

プトレマイオス地図

この地図には、おおよそ地球の規模を感じ、おそらく球形であろうという
読みが施されている。

TO図がちょっと面白い側面を示しているのは、
中国や日本の古地図が陰陽五行に則っているように見えること。
東洋の古地図が東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武などとなっているように、
東が青、南が赤、西が白、北が黒、になっている。
すなわち、アジアはドラゴンを象徴し、南に紅海、北の北海は黒。
そんな象徴にも見える。
実際に最東の日本こそエデンという発想があったとも言われる。
紀元150年に作られたプトレマイオス地図を見ていると、
その後、すぐにでも本格的な地図が完成したなら、
大航海の時代がもっと早くに来て、ガリレオなどが
宗教裁判に呼ばれることはあり得なかっただろうと思ったりもする。

人間歴史は、科学と後進性の迷信とが交互に現れる姿が見て取れる。
それは、遠い昔の話ではなく、
今回の新型コロナのことさえも然りといったところがある。
これだけ科学は発達した現代であってさえも予防のために牛の糞尿を飲んだり、
油を体に塗ったりすることもある。
これらは極端としても、似たような迷信に踊らされる。
"Stay Home" もその一つに数えられるかも知れない。
後世で考えれば、なんと迷信ぽい行動をとったことだったのだろうと。

迷信と隣り合わせ。
それが人間の偽らざる姿のように思えてくる...


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<了>