スペイン映画です。
小品ですが、出演者はベニチオ・デル・トロ、オルガ・キュリレンコ、ティム・ロビンスと豪華です。
本当はとても残酷な内容なのに、残酷なシーンを一切使わず、むしろブラックユーモアに包んで描き出します。
舞台はバルカン半島のどこかの国としていますが、明らかにボスニア・ヘルツェゴビナ戦争を描いています。
ついこの間まで仲良く暮らしていたムスリム/セルビア/クロアチア人が、ユーゴスラビアの解体と共に血で血を洗う凄惨な殺し合いをしました。
国連が介入し、平和プロセス進行中に派遣された民間専門チームの物語です。
死体は多少出てきますが、爆発や発砲シーンは出てきません。
観客はいつ出てくるかとハラハラさせられますが、安心してご覧ください。
逆にそういうショッキングな描写がない分、戦争の無意味さを深く考えさせられます。
この辺りが、アメリカにないセンスでしょう。
脚本の良さと俳優たちの演技も相まって、とても良くできた作品です。
ぼくは好きですね。
★★★★★