大阪のシネ・ヌーヴォさんで大映女優祭がありました。
26作品上映。
私が鑑賞させていただいたのは4本のみでしたが、どれもおもしろかったです!!
では簡単に感想など・・・
『羅生門』
(1950年/日本/88分)
監督:黒澤明
志村喬さんがつぶやく「さっぱりわかんねぇ・・・」がすべてを表しているような気がしました。
夫(森雅之さん)を殺した、という結果は同じで変わらないけれど、嫁(京マチ子さん)、たじょうまる(三船敏郎さん)、巫女(夫の霊を呼ぶ)それぞれの言い分が違う。
みんな自分の保身のためにウソをつく。
原作は「羅生門」「藪の中」だそうで、まさに真相は藪の中!!
最後は柚売りが捨て子を引き取りこの世もまだ捨てたもんじゃないかな・・・と思わせられました。
それにしても、あの門とかセットかしら・・・?!立派だったなぁ。
『婚期』
(1961年/日本/98分)
監督:吉村公三郎
笑った~!!
脚本:水木洋子さん、撮影:宮川一夫さん、というのも観たかった理由のひとつです。
京マチ子さんの顔芸、若尾文子さんのお見合いシーン、野添ひとみさんの口の悪さ!!
どれもこれもよかったなぁ~
女性ばかり集まるとそりゃぁピーチクパーチク騒がしくもなりますわな。
女性三人集まれば「姦しい」とはうまいこと言うたもんです。
それをまた、いいテンポと間で途切れることなく展開させる女優陣も素晴らしい~!
言葉のセンスもよかったなぁ。
旦那が船越英二さんってのもナーイス!!
そしてそして!何といっても北谷初栄さんのばあやが最高でした~♪
『母を求める子ら』
(1956年/日本/88分)
監督:清水宏
たぶん清水宏監督初鑑賞じゃないかしら??
子どもを撮るのに長けている言われているだけあって子どもたちのいい表情を逃しませんねー!!
何かあれば子どもたちが好奇心むき出しでわらわら―わらわらーっと集団で動くのに笑ってしまいました。
そうそう!子どもってそうやんなーって。
またその躍動感あふれる動きをちゃんとカメラがわらわらーわらわらーと追っていたのがよかったです。
一番好きだったのが「しょうちゃーん!おかあさん来たよー!!」の呼びかけリレー!かわいかったー
主人公の山本さん(三益愛子さん)の息子がやーっと見つかったのですが・・・というところからがもう泣けて泣けて・・・でした・・・
『母の旅路』
(1958年/日本/92分)
監督:清水宏
母と娘の物語。
これ・・・三益愛子さん演じるサーカスの花形・京子の「新米マダム奮闘記」とかで一つの話が観たかったような。
同じくサーカスで働く旦那様が娘の高校進学のこともあって急に会社の社長に就任するんだけど・・・
(詳しい理由は映画にて…)
なーんかトラブルもなくそつなく社長業をこなしている様子。
あんなに急に会社仕事できるんかぁ?!と思ったりしたけどそこは組織の力でなんとかなったのかしらね。
娘も卒なく新しい環境になじみ、お父ちゃん、お母ちゃんからパパ、ママと呼ぶようになっています。
そして必然的に京子も社長夫人になるわけで・・・
慣れない生活についていけないのはこのお母ちゃん一人だけでして・・・
それは着物の着方にも表れていました。(ちょーっとだらしない感じの着方がうまいなぁと思いました)
でも、なんとか社長夫人として、いいママとして、一生懸命がんばるお母ちゃん!!!
ほんとがんばってた!!
しかし、見事に空回りばかり・・・
娘の授業参観、PTA会議、夫の社長就任パーティー・・・どれもこれも見事に空回ってくれます!
特に夫の社長就任パーティーでの一件は泣ける・・・
場を盛り上げようと、京子は昔の血が騒いでつい、皿回しなんてしちゃうんですよ。
ほんと、つい!
つい!!ですよ!!
くるくるくるーって。
よかれと思って、ですよ!!
なので白い目で見られるようになるのが本当に気の毒で・・・
そして、このお母ちゃんのあれやこれやが原因で娘は友人たちから村八分にあってしまいます。
娘と友人たちとのトラブルが自分のせいだとわかったお母ちゃんはサーカスに戻ってしまいます。
ここからはちょっと失速した感じがありましたが、まぁまぁ最後はうまくまとまってよかったんじゃないでしょうか。
それにしても、お父ちゃん・・・お母ちゃんが家出しても全然うろたえてなかったな・・・
以上4本の簡単な感想でした~
と言いながらも『母の旅路』はがっつり書きましたな・・・
2018.1鑑賞
ありがとうございました