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超絶実務 違約金400万円? 九死に一生を得た売買トラブル事件簿編 ということで、前回の賃貸のトラブルが好評だったので今回は私が実際に経験した売買のトラブルについてご紹介したいと思います。 最初にいっておきます、かなりヤバいトラブルです。タイトルにもある通り、違約金400万円発生する寸前でした。(6)
テーマ:宅建参考書(609)
カテゴリ:カテゴリ未分類
超絶実務 違約金400万円? 九死に一生を得た売買トラブル事件簿編 ということで、前回の賃貸のトラブルが好評だったので今回は私が実際に経験した売買のトラブルについてご紹介したいと思います。 最初にいっておきます、かなりヤバいトラブルです。タイトルにもある通り、違約金400万円発生する寸前でした。 売買は賃貸とは違って、額が大きいので失敗した場合の損害もけた違いです。 私の悪しき教訓を糧に、皆さんには同じミスをしないよう役立ててもらえればと思います。 私は、山本さん(仮称)という投資家の方から、不動産売買の依頼を受けました。 都内のワンルームマンションで、投資用で持っていたがそろそろ売りたいということで依頼を受け、いい物件だったのですぐに法人買主で買い付けが入りました。 いわゆる両手仲介という状態です。 営業マンとしては一番ありがたい状態です。 売買代金は2000万円です。 山本さんは仕事をしていて忙しい人だったので、いわゆる持ち回り 郵送によって契約書を回収して買主から署名捺印をもらって無事契約も締結できました。 ここまでは何の問題もありませんでした。 決済日は1ヶ月後の1/31です。 山本さんが売却する物件には、ローンを組んでいる銀行であるK銀行の抵当権が設定されていたので、決済日に売買代金で一括返済するために、 事前にK銀行に一括返済の申し込みをする必要がありました。 これ、どういうことかわかりますか? 抵当権付きの物件を売買する時というのは、通常、抵当権を抹消することを条件にして売ります。 ただ、事前に現金一括で繰り上げ返済することが難しいので、ほとんどのケースで、決済日当日、残代金をそのまま一括返済に充当して、その日に抵当権を抹消するという流れを取ります。 一発勝負ですが、ちゃんとセッティングしていればトラブルが起きることはありません。 ちなみに、このときの抵当権抹消登記申請は買主側の司法書士が行います。 一括返済の申し込みは、通常、決済日の2週間~1ヶ月前に申し込んで一定の書類を銀行に提出する必要があります。 これが遅れると、抹消書類の準備が間に合わないので決済ができなくなってしまいます。 ですから、私はいつもこの一括返済の申し込みをかなり余裕をもって売主に伝えていました。 山本さんにも1ヶ月前に1/31が決済日であることを伝えて、K銀行に一括返済の申し込みをしてもらい、書類も無事提出が完了しました。 ここまでは完璧だと思っていました。 ところが、まだ私は重大なミスが起きていることにまだ気が付いていませんでした。 皆さん、ここまで聞いて、何か私に落ち度あると思いますか? もし気が付いた方すごいです。 ヒントは、ミスしている当事者は山本さんです ただ私もそのミスが発生しないよう、予防策をとる必要はあったという感じです。 解決編いきますよ。 決済日を3日後に控えた1/28 担当の司法書士から私に悪魔の電話がかかってきました。 「すみません、今K銀行に抹消書類の読み合わせで電話したんですが、なぜか物件名が違うようなんですよ」 私この電話ガストで食事中に聞いたんですが、血の気が引きましたね。 これどういう意味か分かります? 山本さん、K銀行で2本ローンを組んでいたんです。 投資家ならよくあることなんですが、今回売却する物件以外の別の物件もK銀行でローンを組んでいて、 ちょうどローン残債が同じくらいだったので、山本さんが一括返済の申し込みをするときに、間違えて違う物件の方のローンの一括返済を申し込んでしまっていたんです。 これなんでこんなことが起きるかというと、銀行にローンの一括返済の申し込みをするとき、ローン番号なんかで確認をするので物件名って確認しないんですよ、書類にも出てこない金融機関多いです。 だから、同じ銀行で2つ以上物件買ってローン組んでいる人は、こんな感じで所有者自身が取り違えることがあるんです。 これは売主自身の落ち度ではありますが、仲介業者としてリスク管理できた部分です。 そもそも山本さんは投資家ですから、同じ銀行から2本以上ローンを組んでいてもおかしくありません。 その場合は、一括返済の申し込みが完了した時点で、私からK銀行に連絡を入れて、 物件名を言ってローンの取り違えが起きていないか確認しておくべきなんです。 私はこの悪魔の電話を受けて、すぐに山本さんに連絡をしました、。 山本さんへはK銀行からすでに連絡が入っていて、ヤバいことにすでに気が付いていました。 さあ、皆さんならどうしますか。 通常、決済日3日前に一括返済の申し込みをしても、抹消書類の準備は間に合いません。 間に合わないとなれば、当然違約になります。 売買代金の20%です。400万円です。ヤバいです。 ここから私の踏ん張りどころです。 すぐにK銀行へ連絡し、担当者に事情を説明し、同じくらいの額のローンを同じ支店で2本ローンを組んでいたので取り違えが起きたと説明。 銀行側も物件名をきちんと確認しなかった落ち度はあるのでは、といった指摘をしたうえで、違約金が発生してしまうのでなんとかしてほしいと伝えました。 K銀行の上席とも交渉し、とりあえずすぐに正しい方のローンで一括返済する申込書にサインをもらわないとならないので、銀行の東京支店まで来てくださいとのことになりました。 ところが、山本さんは仕事で名古屋に行っていたので東京支店に今日中に行くことは不可能です。 そこで、何とか名古屋支店でやってくれないか交渉し、特別に名古屋支店で手続きを受けてくれることになり、山本さんにはそのまま名古屋支店へ行ってもらいました。銀行が閉まる直前だったと思います。 何とか間に合って申し込み手続きはできましたが、まだ問題は解決していません。 抵当権抹消登記をするために必要な弁済証書などの書類は、K銀行の本社でなければ発行ができません。 どんなに急いでも発行できるのは1/30です。K銀行の本社は大阪です。 決済は1/31の午前中です。 郵送では間に合いません そこで、東京支店の人に頼み込んで、1/30に大阪本社まで急いで完成してもらった抹消書類を新幹線でとりに行ってもらって、 それを1/31に司法書士が東京支店まで受け取りに行く段取りをつけたんです。 すごいイレギュラーですよね。 結果的に、何とか事なきを得て無事決済ができました。 本当に死ぬかと思いました。 ちなみに、取り違えがわかった段階で一度買主法人に事情を説明して決済日ずらせないか相談したんですが、即答でNO。間に合わないなら違約金払えといわれました。 恐ろしい世界です。 今回のトラブル 皆さんにお伝えしたいことはこちら 一括返済を申し込んだら、必ず銀行に物件名を確認しましょう。 マイホームの住宅ローンなんかだと大丈夫かもしれませんが、不動産投資ローンの場合は、同じような金額で同じ銀行から複数のローンを組んでいる人がいますので、取り違えが起きないよう、申し込みした段階で必ず銀行に確認の連絡を入れましょう。 ちなみに、いきなり銀行電話しても不動産やからの電話は相手にしてもらえないので、必ず売主本人に不動産会社名と担当者名を銀行の担当者にあらかじめ伝えておいてもらいましょう。 今日の動画役に立ったという方、グッドボタンとチャンネル登録よろしくお願いします。 売買のトラブルはシャレになりません。同じミスをしないようご注意ください。 ということでまた明日。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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