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昨日は「執行停止制度」のおさらいをしました。
せっかくですから,今日は「仮の義務付け」「仮の差止め」をおさらいしてしまい,いわゆる仮の救済制度を一通りやってしまいましょう。
※昨日の記事はこちらです。⇒執行停止制度のおさらい
■仮の義務付け(法37条の5第1項,第3~5項)
・仮の義務付けの要件
①義務付けの訴えに係る処分又は裁決がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があること
②本案(義務付けの訴えのこと)について理由があるとみえること
⇒上記の要件を満たす場合において,裁判所は,申立てにより,決定をもって,仮の義務付けができる(37条の5第1項)。
※要件②「本案について理由があること」は,執行停止制度では「消極要件(被申立人側が立証(疎明)する要件)」であるのに対して,仮の義務付け制度では「積極要件(申立人側が立証(疎明)する要件)」となっている。
⇒この点について,立案担当者の解説によれば,「仮の義務付け及び仮の差止めが,処分をすべき旨,または処分をしてはならない旨を直接命ずる裁判であり,しかも本案判決において求める効果と同じ内容を本案判決前に仮に命ずる裁判であることから,そのような重大な効力を有する裁判をするに当たっては,それにふさわしい仮の救済の必要性が認められることを要件とする趣旨である……」とのこと。⇒この考えは,要件①が「重大な損害」ではなく「償うことのできない……」とグレードアップしていることにも通じます。
↓しかし,上記①②の要件を満たす場合であっても,
③公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき
には,裁判所は,仮の義務付けをすることはできない(37条の5第3項)。
・執行停止制度からの準用
①仮の義務付けの決定は,疎明に基づいてする点(25条5項)
②仮の義務付けの決定は,口頭弁論を経ないでする点(25条6項)
③仮の義務付けの決定は,即時抗告OK。ただし,即時抗告をしたからって,仮の義務付けは止められないよ(25条7項,8項)
④事情が変われば,仮の義務付け取消しOK(26条)
⑤内閣総理大臣の異議制度ありありのオオアリクイ(27条)
⑥仮の義務付けの管轄裁判所は,本案と一緒(28条)
⑦仮の義務付けの決定は,拘束力がある(33条1項)
■仮の差止め(法37条の5第2~5項)
・仮の差止めの要件
①差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があること
②本案(差止めの訴えのこと)について理由があるとみえること
⇒上記の要件を満たす場合において,裁判所は,申立てにより,決定をもって,仮の差止めができる(37条の5第2項)。
※要件②「本案について理由があること」は,執行停止制度では「消極要件(被申立人側が立証(疎明)する要件)」であるのに対して,仮の差止め制度では「積極要件(申立人側が立証(疎明)する要件)」となっている。
↓しかし,上記①②の要件を満たす場合であっても,
③公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき
には,裁判所は,仮の差止めをすることはできない(37条の5第3項)。
・執行停止制度からの準用
①仮の差止めの決定は,疎明に基づいてする点(25条5項)
②仮の差止めの決定は,口頭弁論を経ないでする点(25条6項)
③仮の差止めの決定は,即時抗告OK。ただし,即時抗告をしたからって,仮の差止めは止められないよ(25条7項,8項)
④事情が変われば,仮の差止め取消しOK(26条)
⑤内閣総理大臣の異議制度ありありのオオアリクイ(27条)
⑥仮の差止めの管轄裁判所は,本案と一緒(28条)
⑦仮の差止めの決定は,拘束力がある(33条1項)