こんばんは。
穏やかな土日でしたね。
私は昨日は、お仕事の上ですが、とても大切な方のお葬式に行って来ました。
その方はまだ70にも満たないお歳でお亡くなりになりました。発病してから3年、ガンでした。
病気をされてからは社長の地位を後任に譲って会長に就任されていたのですが、その方とはお仕事で長くお付き合いさせていただいて、とてもお世話になりました。
何度も飲みに連れて行って頂いたし、色んなお話を聞かせていただきました。
「ナツさん、あんたは仕事の虫みたいによく働くよね。確かに仕事は大切だが、人として正しく生きる方がもっと大切なんだよ。だから、決して仕事のために自分や自分の大切な人を犠牲にしてはいけないよ。そうなったら、何のために仕事をしているか本末転倒になってしまうだろう。まぁ、現実的に考えたら犠牲の度合いにもよるけどね。でも、出来る限りそうならないように、仕事とプライべートはちゃんと切り分けろよな。」とか。
私は結構お仕事のためにプライベートを犠牲にしていますが、それでも譲れないところは絶対に譲らないようにしています。大切な人との大切な日とか、大切な方とのお約束とか。それはその方のお言葉をいつも胸に置いているからこそ、自信をもって出来ているのよねーって感じです。
お葬式ではお亡くなりになったご本人とはお話は出来ませんでしたが、茶目っ気たっぷりの方で、お葬式の最中にみんなをびっくりさせようと遊んでて、ちょっと大きな物音を出して皆をびっくりさせて笑ってるって感じでしたよ。なんでも、参列してくれた仲の良い同級生を最後にびっくりさせたかったみたいで、当人がその音ですごくびっくりして満足したみたいです。ちなみに、私もびっくりしましたよー。
そんなお葬式でしたが、なんか故人の気持ちが沢山伝わてきましたよ。
いつかは私もお葬式をしてもらう順番が来るのでしょうが、その時には、みんなに笑って見送ってほしいなって思います。
さて、続きです。
消えたって・・・。
↓
実は、消えるのを見ていた子のすぐ後ろを歩いていた子も、同じように消えるのを見ていたので、すぐに大騒ぎになりました。道の両側は薮なので、道からそれたら草が倒れるのですぐにわかります。でも、跡形もなく消えていると言っているのです。
もちろん消えたとか、大人はそんなことは信じません。
消えたんじゃなくて、きっと薮の中に落ちてしまったにちがいない。道をそれたまま、そのまま下に落ちて行ったのだろう。そう考えた大人たちはすぐさま集まって、いなくなった子供達の捜索に入りました。
大人たちの話を横で聞いていると、7人が捜索に入り、残りの3人は子供たちを出発した公民館に送り届け、そのまま駐在さんに通報するようにと話していました。
私はそのまま公民館を経由して家に戻ったのでその後の捜索の様子はわかりませんが、小さな町は大騒ぎになりました。
夏とはいえ、どんどん日は暮れていきます。暗くなってくると、何を思ったのか、それを聞いたであろう近所のお婆さんが外に出て、大きな声で叫んでいます。
「おぉぉぉ、神隠しじゃ-。ありゃぁ、間違いなく神隠しじゃ。わしが子供の頃にもそんなことがあったわ。あー、こりゃぁもぅダメかも知れんぞ」
普通でもちょっと変わったところのある、お騒がせお婆さんです。
「何をバカなことを言うとるんか。滅多なことを言うな。くそばばぁ。」
男の人の声がします。誰かが諫めていたのでしょう。
私は怖くなって妹二人と家で震えていました。
居なくなった子達はうちの集落とは別の集落の子供でしたが、小さな町のことです。私は二人とも遊んだことは無いにしろ、学年は違っても顔と名前くらいは知っていました。
あの子たちが居なくなったって。神隠しに遭ったって。当時の私も神隠しに遭うって言うことがどういうことか知っていました。
そんなことがあるなんて。この、月に人が行ける時代にそんなことがあるなんて。
「かみかくしってなに-」
妹から聞かれますが、怖くって説明できませんでした。
そうこうしているうちに、車の音がして父が帰ってきました。
クーラーボックスいっぱいに魚を持っています。どうやら釣りに行っていたみたいです。
「なんか町が騒がしいが何かあったんか?」
母に聞いていました。
「うん。〇〇さんのところの次男さんと、□□さんのところの長女さんが、探検会で山でおらんようになったみちょうなよ。」
「探検会かぁ、なんでおらんようになったんか?」
「なんでも、山から下りてくる途中で、急に消えたんてぇね。」
「そりゃぁ、わやじゃのぅ。うちの子はどねぇもないみちょうなのぅ。」
「あの子らは大丈夫いねぇ。へぇでも、こわがっとるみちょうなよ。」
父が私たちの方に来ました。
「ナツ、怖かったか?」
「うんにゃ。でも、神隠しに遭うたってあそこの婆さまが言うとったよ。本当なんじゃろうか。」
「山はどこか?」
「丸岳山よ。」
父はしばらく考えていましたが、どうやら分かったみたいです。
「そうか。おらんようになった子らは大丈夫じゃ。心配せんでええ。」
「え?なんで?」
「何ででもじゃ。そのうち出てこようで。」
父はそう言うと、どこかに出かけていきました。
続きます。
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ナツ子