皆様、こんにちは。

今日もお休みですが、先ほど起きたナツです。

こんな時間まで寝ていて、お恥ずかしい限りでございます。

今日は仕事って言ってた彼は、私の知らないうちに、お仕事に行っちゃいましたよ。

 

昨日、昨夜か今朝には続きを載せますと言っておきながら、もうお昼ですよね。

午前中にも間に合わなくてごめんなさい。

ちょっと長いですが、載っけますね。

 

さて、続きです。

 

「おばあちゃんって、僕がもっと小さかった頃に死んじゃった、あのおばあちゃん?」

「そうじゃ。」

 

「僕のおばあちゃんと会った事、あるの?」

「あるさ。毎日うちに来てくれとったわ。お供え物も、ようけもろうたわ。」

 

「お供え物?きみって、神社かお寺の子なの?」

「まぁ、そんなもんじゃ。じゃが、わしは子供じゃないじゃがな。お前の婆さんの事はよう知っとるし、世話にもなったからのぅ。」

 

「おばあちゃんの事を知っててくれて良かった!」

「そうじゃな。よう来てくれて、ええ婆さんじゃった。じゃが、あの婆さんの孫が死んでおったとは知らんかったわ。すまんかったな。気の毒に、お前も苦労したんじゃの。」

 

「あ、苦労はしとらんけど、なんか気が付いたら死んでて。そんで、あそこにいるお姉ちゃんと知り合いになったんだ。」

大樹くんは私を指さします。

 

「そこのあんた、わしの事が見えるのか?」

急にこっちを振り向くと、女の子はそう言いました。

 

こんな小さな女の子がこんな言葉遣いをしていると、すごい違和感があるんですけどー。

 

「え、ええ。でもはっきりと見えるんじゃなくて、どちらかと言えば形や音を感じる方で。これも、あなたが私に感じるようにしてくれているんでしょう?」

 

そう。私は能力が低いので、簡単に見えたり感じたりはしません。大樹くんの様に特別波長が合ったり、この女の子のように向こうから波長を合わせてくれたりしない限り、見ることも感じることもほとんど出来ないんです。

 

「そうじゃな。あんたがこの子の保護者になっとるようじゃな。」

 

「え、ええ、なんかそんなことになって。ところで、あなた、ちょっと教えてもらっていいかしら?」

 

私はズケズケと話しかけました。だって大樹くんが親しそうに話してるのを見て、ちょっと妬けたからです。

 

「何じゃ?」

女の子はいぶかしげな顔をします。

 

「この石積みは何ですか?どうしてこれで霊を上に上げられるんですか?」

「上に上げとったのが見えたんか。じゃが、それはなぜじゃか、わしにもわからん。じゃがのぅ、何でかわからんが、そうすると上に上げられるんじゃ。」

 

どうもわかりにくい説明です。

 

「あのー、ちょっとだけ触っていい?」

私は女の子の方に近づいて、ちょっとだけ着物の裾に触れようとしました。触ったらもっとたくさんの情報が得られそうだったから。

 

「だめじゃ。」

という返事を聞く前に、私は女の子の着物の裾をちょっとつまんでみました。

 

しかし、何の感触もありません。すり抜けたというよりも、最初からそこに無かったかのような。いえ、それは触ったとは別の感覚がありました。

 

触れてはいけないお方。私の本能がそう言っていました。

 

その女の子はこの次元とは異なる高次元の存在。恐らく、いわゆる神様と言われている方なのでしょう。見えていた部分は、高次元からこの次元のものに対して見せることができる、ほんの一部だけ。

 

「ご、ごめんなさい。いえ、失礼いたしました。」

反射的に謝りました。

 

「まぁ、ええ。触れんかったしのぅ。」

女の子はちょっと笑って、大樹くんの方を見ました。

 

「おい、坊主。もう一度石を集めてくれんかの。次はお前を上げてやるからに。」

 

大樹くんはにこりと笑って言います。

「うん。ありがとう。集めてくるね。」

 

そう言うとすぐに大樹くんは走って石集めに行きます。

 

大樹くんがいない間、もう少しだけその子と話しが出来そうでした。

 

「すみません、あなたのお名前は何とおっしゃるのですか?」

「神に名前を聞くもんじゃない。」

 

あ、やっぱり神様でした。

 

「すみません。でも、お話しするのに不便で。」

「別に話さんでもええんじゃが。〇〇と呼べばよい。」

 

あら、教えて頂きました。お名前はその時は覚えていたのですが、後からどうしても思い出せなくて。

でも、思い出せない方が良いのでしょうね。

 

「どうしてあなたは、迷っている霊を上に上げてあげているんです?あなたに特に理由があるとは思えませんが。」

「いや、理由はある。」

 

「え?どんな理由でしょうか?差し支えなければ教えていただけますか?」

「それはな。」

 

女の子の形をした神様は。私に教えてくれました。

「それは縁じゃ。」

 

「縁?」

「そうじゃ。わしと生前縁があったものを、わしは上に上げてやっとるんじゃ。」

 

「それは、お詣りに来たとか?」

「そうじゃ。何回かしか参ってくれておらん者は無理じゃが、わしと濃い縁があったものは、迷っておったら出来る限り上に上げてやっとる。」

 

「でも、そんなに沢山、迷ってる人がいるんです?」

「ああ。あんたも見たじゃろう。階段は上まで続いとらん。あの階段を目指してしまう連中はみな上に上がれん者たちじゃ。」

 

「あの方たちはどうして上に上がれないのでしょう?」

「それは、生前に先祖と縁が薄かったからかも知れんな。先祖供養もせずに、自分だけでこの生を授かったと思うて、勝手に生きて来た者。そういった者たちは死んでも先祖が迎えに来ることは無いしのう。わしだけじゃのうて、他の神や仏も、ちゃんとした縁があったものなら、多少迷っておっても上に上げることができるんじゃ。じゃから、あそこから落ちてきて者でも、わしと縁があればこうやって上に上げてやることができるんじゃ。」

 

「それにしても沢山いましたね。」

「ああ、イクサさえなければ、あの者たちも、もしかしたら先祖と縁を持って普通に上に上がれたかもしれんがのぅ。不憫なもんじゃ。」

 

女の子は悲しそうな顔をしてそう言いました。イクサって戦争のことでしょう。それって、前に見た、町が燃えてたあの戦争のことでしょうか。あの時にお亡くなりになった多くの人達が、上に上がれず困っていらっしゃるのかなって思いました。

 

「それで、本当に大樹くんを上に上げてあげられるんですか?」

「それはな、・・・」

 

女の子はちょっと言いにくそうに言います。

 

 

続きます。

 

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