かなり久しぶりの映画ネタ(約3年半ぶり)です。今回はNHKの『プレミアムシネマ』でしばらく前に放送された『M★A★S★H マッシュ』(1970年、アメリカ ロバート・アルトマン監督)です。

 

ベトナム戦争の真っ盛りの時代に、あえて1950年代初頭の朝鮮戦争をテーマにするという大胆さ。ただし、戦闘シーンは出てきません。野戦病院が舞台です。

 

主人公は3人の軍医たちですが、活躍の場は、毎日のように重傷を負った兵士たちが運ばれてくる壮絶な現場。生と死が交錯する緊迫した場所にありながら、彼らをはじめとした軍医たちは常にユーモアを忘れず、最初から最後まで笑いを呼ぶシーンが連続で続きます。

 

軍規などはくそくらえとばかりに、不謹慎なシーンの連発。後半のアメフトのゲームシーンでは、堂々と「ズル」を行うところも出てきます。そこにはこの時代のアメリカにあった「自由」と「反権力」な空気にあふれており、爽快ささえ感じさせます。

 

ただ不謹慎なだけではありません。不能に悩む歯科医の自信を“回復”させてやるシーン、軍医たちが日本に赴任中(そういえば、当時の日本の流行歌が米軍のラジオ放送で流れてきます)、芸者を助けるために、反対する大佐を陥れたり。「情」を感じさせる場面もときおり挟み込まれ、ただのコメディでは終わらせていないところも秀逸ですね。

 

それでいて、外科手術では真面目に取り組む。こうした硬軟取り合わせたところも、最初から最後まで飽きさせない工夫であると感じました。こういう戦争映画があってもいいですね。

 

エピローグも意外性があっていい感じです。個人的にニューシネマの作品が好きなんですが、これもGoodでした。

 

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