駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ええっ、そういうことだったのか

2019年08月23日 | 政治経済

    

 

 今朝は曇っており涼しい。夏も終わる、となれば良いのだがこれからの残暑が気にかかる。九月十日まで位なら何とか我慢できるが、九月半ばを過ぎて30Cは耐え難い。地球が温かくなり、氷が解けた北極海での大型船航行が可能になりそうだ。

 相手が得するのが気に食わないトランプはグリーンランドを買い取って北極海権益を確保しようとし始めた。なぜかグリーンランドはデンマーク領で、今までは極寒の地のためエスキモーや白熊が暮らしているだけで、領土としての価値は低いと見られていた。だから値が出る前にトランプは札束を積んで買い取ろうとしたわけだ。トランプのグリーンランド購入に向けた協議を「ばかげている」と一蹴したフレデリクセン首相の発言について、トランプは米国全体を侮辱するものだと非難した。そして来月予定していたデンマーク訪問の延期を表明した。目を疑うような悪ガキ並みのトランプ大統領の発言行動にはあきれてしまう。

 しかし、そのトランプに三十五%の岩盤支持があるというから、世の中はわからないというか世の中はそういうものなのかもしれない。自分さえ得すればよい損しなければよいという考えから離れられない人が十人のうち三人は居るということなのだろうか。それを自分だけではないけれども自分は損したくない自分を優先したい程度に和らげると六、七人になると思われる。

 資本主義が席巻する21世紀の世界。その世界は実は石油石炭や原子力のエネルギーよりも強欲我慾というエネルギーで動いているらしい。トランプはその申し子に見える。しかし、勝てば官軍、ウイナーテイクスオールでうまく世界が回るか、回らないように思う。トリクルダウンで恵まれない人達におこぼれが回るはずが回っていない。それは強欲の真実を知らない人の発想だからだ。強欲の人達は零れ落ちる金貨をもかき集めるのだ。寄らば大樹でみんなが大樹によれば大樹も枯れる。そばに寄っても身内扱いはしてもらえないだろう。

 しかし、資本主義は世界を発展させうまく機能しているのではないかとトランプは吠えるかもしれない。そこにはまことに皮肉な絡繰りがあるのだ。十人に一人くらい、慾では動かない有能な人が居る。その人達が居るお陰で強欲の資本主義が何とか破綻せずに機能してきたとノーベル経済学賞受賞者が苦笑いしながら解説している。

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