■韓国には日本に対する「痛みの記憶」があるだけ!(´ぅ_ ;`) | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

延世大での講義。かつて日本の新聞に「日本列島が涙した」と報道された李秀賢さんを紹介。

 

 

●昨年韓国人の7人に1人が日本訪問

 

先日、延世大学の学生の「日本は常に憧れの対象だった。日本人は市民意識も高く、思いやりの心も深い。日本と比べていつも韓国を馬鹿にしていた」という感想文を載せました。それが多くの韓国の方々の内心における日本人に対する印象であると実感しているからです。すなわち、日本の多くの方の印象とは裏腹に、韓国の方々は皆、決して「反日」などではありません。少なくとも私たちが韓国の方々の思いに素直に共感する立場を示せば、ほぼ間違いなくそのような内心を聞くことになります。♪ヽ(´▽`)/

 

政治家やマスコミが国家間の問題を体面を懸けて語ることと、韓国人が日本人に対して抱く感情とは決して一緒ではありません。さらにいえば、歴史の授業などにおける帝国主義時代の日本に対する「抗日」教育、過去の日本人が及ぼした深い傷から来る「抗日」意識をもとにした「抗日」歴史映画などが存在しているからといって、それ自体が今の日本に対する「反日」にはならないわけです。私たちは安易に「いまだに根に持っている」などといいますが、それはどこまでも、足を踏んだ側の人には存在しない「痛みの記憶」が踏まれた側の人には存在している、ということなのだといえます。

 

それは私が韓国に暮らし始めた1992年の頃を考えても基本は同じだったと思いますが、ましてや、これだけ皆が日本観光や日本のサブカルを好む時代にあって、むやみな「反日」などは決して市民権を持ち得ません。何より簡単な例としての日本に対するラブコールが、まさに日本に大挙して訪れる観光客の数であると思います。

 

昨年1年間に日本を訪れた韓国人の数は714万人です。総人口は5125万人なので、これは、生まれたばかりの赤ん坊から寝たきりのご老人までを含めた全韓国人の7人に1人が、去年、日本を訪れたということになる数です。たとえ、円安などの理由があっても、「反日」感情を持っている人が日本に観光に来るでしょうか。日本でも韓国観光を楽しむ人は基本、韓国が好きだったり、韓国に憧れを持っている人であろうと思います。

 

 

●「日本のいい所を見習う法をつくれ」

 

先日10/5、俳優の國村隼さんが釜山国際映画祭の審査員として記者会見に臨んだ際に、韓国の記者が「海上自衛隊の旭日旗掲揚」について意見を求めてしまったということがありました。それに対して國村さんが、誠意をもって韓国に理解を示す立場で答えてしまったため、日本ではネット上の非難が殺到して、結果、2日後に他でもない、釜山国際映画祭が執行委員長の名前で謝罪を表明しました。

 

それは、すでに國村さんの発言が報じられた直後に、韓国のネット上では「俳優に政治的質問をした」として記者に対する批判が多数寄せられていたという背景があり、さらにはそもそもこの「旭日旗」問題自体が、政治家やマスコミ側と、一般市民側で温度がかなり食い違っているということがあったわけです。

 

その証拠に、『朝鮮日報』が10/1に伝えた、「旭日旗」問題に寄せられた読者コメントの紹介記事では、韓国がそれを問題視すること自体が、「内政干渉だし、自衛隊幹部の言葉通り非常識で受け入れがたい礼を欠く行為」だという読者意見など、日本側に味方する意見が多く紹介され、何よりもその意見にネット上の「賛成」票が圧倒的であることが報じられました。『朝鮮日報』は韓国の第1紙であるとともに、保守系の読者を相手にしている新聞であるにもかかわらず、です。

 

さらには、その前の「韓国与党が旭日旗禁止法案を発議」という記事に寄せられた読者コメントに至っては、「いったい今がいつの時代だと思っているのか?何が何でも敵をつくらなねばならない時代だろうか?それとも共に生きていく時代だろうか?」(パク・ナムギュさん/賛成24反対3)、「外交も知らず、相互主義も知らず、かといって日本を負かすような経済的・軍事的実力もないのに、つまらないプライド一つで井の中だけで大声で鳴く蛙たち!」(キム・チョルヒョンさん/賛成38反対3)、「日本のいい所を見習う法律をつくれ。『親切で教養があって嘘をいわない』という法律を」(キム・ヒギュさん/賛成49反対2)などというように、激しい反発の嵐だった、という報道でした。

 

 

●なぜ「韓国はある」と訴え続けるのか

 

以前も書きましたが、嫌韓本がすでに1ジャンルをなすような日本の本屋とは裏腹に、今、韓国で本屋に行っても「反日」本らしきものを目にすることはありません。そんな本を書いても国民感情に反するために、まったく売れないからです。もちろん、かつてそれが存在しなかったわけではないですが、それらもまた、日本を高く評価しながら、だからこそ注意すべきだという警告を与えるものであったわけです。

 

1993年に、一度だけ日本を真っ向から否定しようという『悲しい日本人(原題:日本はない)』という本がベストセラーになったことがありましたが、この本が主張していたことも、あくまでも、「私たち韓国人は日本に憧れて日本を追い求めているけれど、そのような理想化された日本などはない。現実の日本の問題点をはっきり見て、もう日本を追い求めることはやめよう」というものでした。

 

しかもその直後に、この『日本はない(일본은 없다)』の本に真っ向から反対する『日本はある(일본은 있다)』(徐賢燮著、日本題は『日本の底力』)という本が出て、「日本を馬鹿にするな」と反論を展開し、こちらもベストセラーになりました。著者の徐賢燮さんは当時、現役の外交官でしたが、それによって彼に非難が集まったり、立場が危うくなるようなこともまったくありませんでした。

 

私が20年間、韓国で韓国の方々に訴え続けていることも、日本に対する理解をうながすことであるとともに、偉そうないい方ですが、ある意味、この徐賢燮さんと同じ立場で、韓国の方々に「韓国はある」と訴えることであったといえます。なぜ韓国に長く住んでいる私がそのようなことを語らざるを得ないか。それがまさに、冒頭に挙げた延世大生の感想文のように、韓国人の多くが、個々人の内面において、日本に憧れを抱きながらいっぽうで自国を軽んじ、馬鹿にしてしまっているからなのです。

 

何よりも私にとっては、その伝統文化をはじめ、韓国はあまりにも学ぶことの多い国です。それなのに、それを韓国人自身が馬鹿にして、軽んじて、大切な価値を失っていくことこそ、韓国の方々自体にとって、そしてまた、隣国の私たち日本人にとっての巨大な損害以外の何ものでもないとつくづく思っています。日本にいらっしゃる方々にはどのように映っているか分かりませんが、私がここに長く暮らしながら、変化し続ける韓国を見つめて実感する世界を、今日は率直に書いてみました!(´ぅ_ ;`)

 

 

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