「人の姿に変わる悪魔」
●愛する家族が変身する恐怖!
年末の12月が来たので、今年観て紹介し忘れていた映画をいくつか紹介したいと思うのですが、まずは夏に観た納涼オカルト映画『変身(변신)』(キム・ホンソン監督)ですね。まあ、いくらキリスト教国家であるとはいっても、東洋の韓国ではさすがに多分にリアリティに欠けてしまいがちなエクソシスム映画ではあるのですが、その中でもこれは心理的なリアリティによって真面目に怖~い映画でした。ドキドキ。♪ヽ(´▽`)/
何が怖いかといっても、愛すべき家族が残忍な別人格者になってしまうということ。もっと正確にいうと、悪魔のほうが、愛するお父さん、お母さん、娘、息子の姿に変身する怖い話なわけです。でもこういう場面というものは、実際に精神病だとか認知症だとか薬物やアルコールなどによってあり得ない話ではない、一種のメタファーであるという意味で、それが悪魔だと分かっていてもシチュエーション的に怖いわけですよね。
特に本作では、お父さんが『応答せよ1988』の「トクソン」のお父さん役だったソン・ドンイルさんですから、「あの優しいお父さんがなぜ??!」となってしまうわけです。さらにお母さんはチャン・ヨンナムさんで、私はお母さん役として最高に好きな女優さんですが、今年初めの『証人(증인)』で自閉症の娘を育てる愛情深いお母さん役などを演じていたのに、やっぱり同じく「あの優しいお母さんがなぜ??!」となってしまうわけですよね。(((°`∇´°;)))
●外れの後の当たりだったのも
実はこれを観た時に、そのちょうど1ヵ月前に同じような納涼エクソシスム映画『使者(사자)』(キム・ジュファン監督)を観て、主演のパク・ソジュンさんと国民俳優アン・ソンギさんが本当にもったいなくなるくらいの残念さだったので、まさか同じような失望をするのではないかと心配していたのですが、そうならなくて本当によかったです。
ちなみに『使者』のほうは何が残念かといっても主題が散漫で、最初は子供の頃に「父親を助けてくれ」と必死で神に祈ったのに助けてくれなかった、というトラウマで神を憎むようになって、残忍な格闘技チャンピオンになったという主人公の内面の葛藤の話なのかと思いきや、悪魔との戦いのエクソシスム譚となり、さらにその悪魔というのが実体の「悪の司教」という究極の悪の化身になって出現、そこから手が火の玉になるドラゴンボールのようなバトルになってしまった、というものでした。
この「手が火の玉」系の華やかなSFXはエクソシスム譚には実にタブーだと思うのですが、今回の『変身(변신)』にもけっこう出てはきます。悪魔が取り憑いた時の顔が爬虫類のようになるというのが一番のそれなのですが、それでも前述したような、家族のあるあるサイコスリラー的な要素が中心ではあるので、それはそれでよいものとしたいです。何より、この悪魔に魅入られた家族の叔父さんで司祭役のペ・ソンウさんの悩む司祭ぶりが、またなかなかよかったです。
傑作とはいえないにせよ、ちょっと名作の『哭声/コクソン』のような善悪不分別の面白さもあるかと思った『変身(변신)』、なかなかけっこうおススメでした!まあ、『使者(사자)』のほうでの失望の反動もあったのかもしれませんが…。ヾ(≧∇≦)〃♪
【あらすじ】 人の姿に化ける悪魔がある家族に入り込み、奇異で恐ろしい事件が起こる。お互いを疑い、憎み、怒るその家族のもとに、悪魔払いの司祭である叔父のジュンスがやって来るのだが…。
映画『変身(변신)』(キム・ホンソン監督)予告編。
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