■選挙を控えて観た選挙モノコメディと韓国の政治の話!≧∇≦)〃♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

「真実の口が爆発する」

 

 

最近はすっかり映画館に行かないので、これも我が家のケーブルテレビで観た、先月公開の映画ですが、『応答せよ1988』でファンになったお馴染みラ・ミランさん主演の国会議員選挙コメディ『正直な候補(정직한 후보)』(チャン・ユジョン監督)ですね。なかなか爆笑で辛らつな、よい作品でした。ヾ(≧∇≦)〃♪

 

韓国では、たとえば昨年夏のキム・レウォンさん主演の『Long Live the King:木浦の英雄(롱 리브 더 킹 목포 영웅)』(カン・ユンソン監督)をはじめ、けっこう政治モノ、選挙モノ映画というジャンルがありますが、日本では聞かないですよね。それこそ想田和弘監督の観察映画『選挙』がありましたが、あれはドキュメンタリーでしたからね。

 

現在も、韓国はいみじくも第21代国会議員選挙が15日後の4/15に迫っていて、テレビのニュースはどれもコロナか選挙かのどちらかになっていますが、韓国の政治は左右陣営の対立によるダイナミズムゆえにいつでも大きな変化の中にあって、市民の力が直接政治を左右する、という感覚と共に、選挙がより身近であるためかもしれませんね。女性の政治進出も日本よりは進んでいて、今回も女性監督が描く女性国会議員の映画であったわけですよね。

 

この『正直な候補』は、そのまま同名のブラジル映画『O Candidato Honesto』のリメイクなわけですが、心にもないことをいって人々を信じさせて票を取るという政治家が、母親の「正直な人間になってほしい」という篤実な祈りを天が聞き届けることで、突然、嘘がいっさいいえない体となってしまい、心に思ったことをそのまま全部口に出してしまうという状況で選挙戦を繰り広げる、という話です。

 

その本音というのがものすごく辛らつで、逆に気分がすっきりするとともに、ラ・ミランさんのキャラクターが決して憎めないものであるために、特に嘘がいえなくなってからのほうが明らかに魅力的です。ただし、その「本音」があまりにも辛らつすぎるために、見ているうちに、このコメディが伝えるものは決して軽いメッセージではないということも感じます。韓国では立候補者は皆、庶民の味方としてのアピールがすごいですが、実はまったくその反対のことを考えているのではないか、という思いになりますからね。

 

それと共に、実際にテレビで今の韓国の政治家たちの発言を聞いていて感じる映画の違和感は、この映画では対立候補に対してもおべっかを使っていたところが、嘘がいえなくなって辛らつなホンネをぶつけるようになる、という流れが描かれていますが、実際は、現実のほうが、対立している陣営同士で互いにもっと歯に衣着せない辛らつな悪口がすごいということですよね。今日も保守政党で第1野党である未来統合党が、公式YouTubeチャンネルで、「文大統領はやりたいようにやって、任期終了後に長期間、牢屋で無償給食を食べればいい」と発言した、ということがニュースになっていましたが、もはや完全に現実のほうが映画を超えてしまっているわけです。(^ヮ^;)

 

ということで、そういう現実とも絡めながら映画を観ると、やはり私たちが学ぶことがけっこう多いコメディだと思いました。でもいっぽうで後半の話の展開が多少残念で、もっと感動的にすっきりできたと思ったのですが、私が予想していた流れではなかったです。私が期待していた流れは、当然、すべてをホンネで正直に話すことで、最も信頼できる素晴らしい政治家になる、ということだったのですが、ぜんぜんそうではなかったです。やっぱり私が理想主義者過ぎるということなんでしょうかね。残念!(>_<)

 

ということで、学ぶ内容も多いですが、ふつうにラ・ミランさんのキャラが魅力的なまた一つの良質コメディとしてもオススメです!♪ヽ(´▽`)/

 

 

【あらすじ】 昨日までは大ぼら吹き、今日からは正直な候補?嘘をつくのが一番得意な3選国会議員チュ・サンスクに青天の霹靂が落ちる。突然、嘘を一言もつけない「真実の口」を持つようになったのだ。最高の武器であった嘘を失うや、彼女の人生は根こそぎ揺らぎ始めるが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『正直な候補(정직한 후보)』(チャン・ユジョン監督)予告編。

 

 

☆。.:*:・'☆'・:*:.。.:*:・'゜☆。.:*・'゜☆

韓国情報ランキングに、現在参加中です。
ブログランキング
↑上のバナーをクリックするだけで、一票が入ります!
更新を願って下さる方は、よろしくお願いいたします。