中医協も佳境を迎えている。
2020年度の診療報酬改定に関する大詰めに入っている。
昨日の中医協では「調剤報酬(その3)」として、先ず「調剤基本料」に見直しがある。
18年度の成果として20店舗以上及び医療モール、中小病院、大病院前の薬局への引き下げについて効果があったとしている。
それはそうだと認めざるを得ない。
「調剤基本料1」以外は、報酬そのものの引き下げに「地域支援体制加算」のハードルが高くのしかかった。
それを成果とされると「やられた」となる。
ただ新たな問題として診療所敷地内の薬局の損益率の高さが浮上している。
ここはかなり危ない。
さらに6~10店舗の損益率が大手チェーンと変わらないのも気にかかる。
ここはこれからの要注意ポイントである。
次に、なかなか進まない「かかりつけ薬剤師指導料」が取り上げられている。
厚生労働省が医薬分業に対する基本的な考え方が示されている。
「薬局の薬剤師が専門性を発揮して、患者の服用薬について一元的な薬学管理を実施」となっている。
これはまさに「かかりつけ薬剤師指導料」が新設された考え方に通じる。
その結果として「多剤・重複投薬の防止や残薬解消なども可能となり、患者の薬物療法の安全性・有効性が向上するほか、医療費の適正化にもつながる」としている。
ポイントはここにある。
ところが「かかりつけ薬剤師指導料」は2018年11月の全処方枚数の算定はたったの1.50%しかない。
これはどう考えても失策となる。
こうなると厚生労働省は犯人探しになる。
自分たちの失敗を認めたくはない。
何と言っても失敗は失脚につながるのが官僚の世界である。
“鳴かぬなら鳴くまでまとうホトトギス”の段階は過ぎた。
次は” 鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス“となる。
さらに、言ってもやらないなら“鳴かぬなら殺してしまえホトトギス”になるやもしれない。
正直なところ大手調剤チェーンは厚生労働省からの依頼を受けて「かかりつけ薬剤師指導料」の算定に協力している。
ドラッグストアは厚生労働省と言うより経済産業省の庇護のもとにあるので無視してもいい。
問題は、お願いされても言い訳だけで進めない組織団体かもしれない。
気を付けないと…殺される!
ということで、保険調剤を行っている以上は国の保険行政への協力は欠かせない。
「かかりつけ薬剤師指導料」が算定しづらいなら、その理由を明確にし、改善策の対案を出すべきじゃないだろうか。
要は「薬局の薬剤師が専門性を発揮して、患者の服用薬について一元的な薬学管理を実施」が出来る仕組みが欲しいなら。
それは中医協に出る前の”寝技”かもしれない。
今の段階ではもう遅い。
基本的に私は“かかりつけ”は「薬剤師」ではなく「薬局」だと考えている。
大変、ためになりました。
来年の二月も宜しくお願いします。
具体的な報酬対策を一緒に考えましょう!