医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

たかが、されど1.9

2018-12-06 05:43:03 | 薬局

「薬価3.二がりは1.9%ってことなのか。

 

昨日も書いたが今年9月の薬価調査の結果が出ている。

平均乖離率は速報ではあるが約7.2%である。

これに調整幅の2%が加わり薬価引き下げは平均で5.2%になる。

この引き下げ率はあくまでも全体の平均で、薬局で汎用される生活習慣病薬などはさらに2~3%引き下げられる。

結果として平均7〜8%は覚悟しておきたい。

上記を踏まえると処方箋単価が5%前後低くなる。

いつも言っているが同じ売り上げを確保するには患者数を増やすか、技術料などの見直しから処方箋単価引き上げしかない。

どちらを選ぶのかによって基本戦略が変わる。

 

さて、今回の結果を見て思うのは医薬品卸からの価格が、約2%引き上げられたことが顕著に表れているってことである。

前回の改定では平均乖離率が9.1%であった。

それが今回は7.2%に圧縮されている。

その差の1.9%が実勢価格の値上げ分と考えられる。

この約2%は、何となく今回の価格交渉を思い出さないだろうか。

数値はうそをつかないようだ。

医薬品卸が錦の御旗を掲げた”流通改善ガイドライン“が功を成したのか。

 

また、医療費の中の薬剤師費は約10兆円規模と言われている。

今回の薬価改定で単純に5.2%引き下げられると、その影響は約5,200億円に相当する。

ただ10月からの実施を考えるとその半分になる。

半分でも約2,600億円の引き下げとなる。

意外に大きい。

 

薬価が10月から改定になろうが、なるまいが、年が明けて4月から9月までの未妥結減算の2019年度上期の価格妥結状況は報告が必要になる。

良いのか悪いのか価格交渉のチャンスがやってくる。

どうなるのか分からないが、ゆっくりしていると10月からの交渉が待っている。

やっと終わったと思ったら2020年の未妥結減算交渉が始まる。

薬局には医薬品卸との交渉できるデータがないところが多い。

まして”単品単価”など出来ない。

こんなに何度も価格交渉をして何か得るものはあるのか。

 

ある新聞に「薬価3.2%引き下げへ」とあった。

これに騙されてはいけない。

本体価格は5.2%引き下げられ、消費税増税の2%分を上乗せて3.2%である。

支払う消費税がある。

 

世の中は甘くはない。

 

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