弁護士として登録している限り,5年ごとに受ける義務があるのです。
どんなことをするかというと,例えば,依頼者に「大丈夫です,勝てますよ」というようなことを言った場合,弁護士職務基本規程の「弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。」に反しないかとかについてディスカッションをしていく感じです。
見通しについての意見を言うことは許されているのですが,そこのラインは結構微妙です。
私は,慎重派なので,まず大丈夫だと思っても,大丈夫とは言わず,勝つ可能性が高いと思うけれど,訴訟となればどんな想定外な事が起こるか分からないので,やってみないと分からないとしかいえないというような言い方をしています。
一方で,ネガティブなことを言い過ぎても,本来勝てる可能性の高いケースを諦めてしまうという可能性もあるので,なかなか難しいところです。
先日も,受任時には,かなり難しいという見通しで,全面勝訴はまず無理ですと言ってた案件が,予想に反し,全面勝訴したということがありました。
私は,かなりの負けず嫌いなので,依頼者にはクールに振る舞いつつも,実は相当に熱くなっています。
難しいとは思いつつ,和解の線がなくなった以上,1パーセントでも可能性がある限りはと死力を尽くし,そこが認められたのは嬉しかったのですが,反省点として,まず無理だとまでは言うべきではなかったかなあと。
そういうケースに直面するにつけても,やはり説明の仕方は難しいなあと思います。
話を戻して,今回は,キャリア10年組の研修のテーマは,利益相反でした。
利益相反というのは,例えば,AさんとBさんの紛争について,Aさん,Bさんの双方の代理人になるような場合です。
これは当然のことながら,許されておりません。
また,同じ事務所の他の弁護士がAさんの代理人をしている場合に,自分がBさんの代理人を務めることも,原則としてはできません。
ただし,「職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない」とあり,今回の研修では,どういう場合には許されるのかということが議論されたりしました。
さらに,複雑なのは,Aさんの代理人をしていた弁護士と同じ事務所の弁護士が別の事務所に移った後に,その事務所の別の弁護士がBさんの代理人を務めることができるかなどといった問題。
いろいろ議論がされましたが,絶対的に確立した正解はなかなかないといったところです。
うちの事務所は弁護士2人なので,あまり問題になりませんが,最近は,人数が多い事務所が増えているので,利益相反が問題になるケースは,増えてきそうです。
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