記憶が飛ぶからの刑法 | 弁護士吉成安友のブログ

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荒川区西日暮里に事務所を構える弁護士。
大分県豊後高田市の若宮八幡神社の宮司を900年務める家に生まれ,神職資格を持つ。
Rockな魂と仕事への情熱であらゆる分野で最強を目指し日々研鑽しています!

 大分,ブログを放置していました。

 忙しいときほど気晴らしに更新するんだということを書いたこともありますが,意外と依頼者の方も見てたりすることが分かったので,なかなかそうもで・・・

 そんなわけで,今日も午前4時近くです!

 時間のかかった書面がようやく一応の完成をみたので,久しぶりにブログでもと。

 さて,そんな忙しいなかでも,数年前のような年間200日飲みということはもうありませんが,飲みにはちょいちょい行ってます。

 率直に言って,ノミニケーションから,長い目で見ると,かなり仕事になります。

 昨日もなんだかんだで仕事の話になりました。

 ただ,衝撃的だったのは,昨日,完全に途中から記憶が飛んだ(汗)

 飲んでる途中までは覚えてて,気がつくと,自宅で朝。

 靴下とズボンだけ脱いで,時計まで付けたまま,寝てる(笑)

 タクシーの領収証があったので,タクシーで帰ってきたのはわかったのですが,そこもまったく思い出せない。

 そこまで完全に記憶飛ぶって,いついらいだろう。

 学生時代以来かなあ・・・

 学生時代は,救急車に運ばれたこともあったので(汗)

 ところで,刑事事件で,よく酒を飲んでて覚えてないという弁解があります。

 しかし,酒を飲んでたから・・・という言い訳は,刑事事件ではまず通らないと思います。

 確かに,刑法39条は

心神喪失者の行為は、罰しない。

心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

としています。

 善悪の判断や行動をコントロールする能力がなくなってる場合は罰せられず,なくなっているのに近い状態だったら刑が軽くなるのです。

 ただ,酒を飲んで覚えてないからといって,それはアルコールが海馬という短期記憶を司るところに先に作用するからであって,覚えてないから善悪の判断や行動をコントロールする能力がなくなってるということにはなりません。

 実際,私も,昨日は記憶はないけど,ちゃんと帰ってます。

 エヘン!

 え,自慢にならないって(笑)

 そして,逆に,酩酊というくらいにまでいってしまうと,フラフラなので,たいていの犯罪は,なかなかできないのではないかと。

 その意味では,酒を飲んだ犯罪は,覚えてなくても,減刑されないことが多いと思います。

 ところで,刑法学上には,「原因において自由な行為」という概念もあります。

 例えば,自分が酒を飲むとわけがわからなくなって,人に暴力を振るうことになるということを分かっていながら,むしろそれで気に入らない奴をやっつけようと思って酒を飲み,判断能力を失った状態で傷害事件を起こしたような場合は,減刑がされないというものです。

 最高裁判決にも,

酒酔い運転の行為当時に飲酒酩酊により心神耗弱の状態にあつたとしても、飲酒の際酒酔い運転の意思が認められる場合には、刑法三九条二項を適用して刑の減軽をすべきではないと解するのが相当である。

というものがあります。

 その理論的根拠は,ざっくりいうと,多数説では,いわば心神喪失,耗弱状態の自分を道具として利用して,犯罪の結果を引き起こしたというものです。

 まあ,細かく言うとそのなかでも色々と説が別れる。

 刑法は,特に色々と説が別れて,勉強するとなかなか面白い。

 受験生の頃,法律の勉強が本当に嫌いだった私も,唯一刑法だけは好きでした!

 特に,旧司法試験の終わり頃の択一試験の刑法はパズルのような難問,奇問が多かったのですが,難問ほど大好きで,本番でも燃えるというか,楽しんでました!


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