書類送検と微罪処分 | 弁護士吉成安友のブログ

弁護士吉成安友のブログ

荒川区西日暮里に事務所を構える弁護士。
大分県豊後高田市の若宮八幡神社の宮司を900年務める家に生まれ,神職資格を持つ。
Rockな魂と仕事への情熱であらゆる分野で最強を目指し日々研鑽しています!

プロ野球選手がDVで書類送検されたというニュースがありました。

書類送検されたと聞くと,その対象者が何か処分が科せられたというような印象を持ったり,何か悪いことをしたんだという印象を持たれる方もおられるようです。

しかし,書類送検は,事件が警察から検察に送られるというものにすぎません。

起訴,不起訴を決めるのは検察官ですが,書類送検はその前の段階なのです(仮に起訴されたとしても,有罪判決確定までは,無罪推定ですし)

しかも,警察が捜査をした事件は全件検察に送るのが原則で(全件送致主義),警察官が捜査をして嫌疑がないことが分かったとしても,警察官が捜査した事件は原則検察官に送るということになります。

ただ,書類送検に前述のような印象を持たれる方が多いかということを考えると,全件送致主義の例外が関係してきそうです。

まず,逮捕勾留されずに,検察官に送られる事件は,比較的軽微なものが多いといえます。

そして,軽微な事件については,微罪処分という制度があります。

これは,検察官があらかじめ指定した犯情の特に軽微な成人による事件については,検察官に送らなくてよいというものです。

そして,微罪処分になるケースは,令和元年のデータでは,全検挙人数の29.4%にものぼります(なお,検挙とは,被疑者や違反行為を特定することで,逮捕された場合に限りません)

このように,全検挙人数の3分の1近くが送検されていないという状況もあるので,逮捕勾留されていない比較的軽微な事件について,書類送検されたと聞くと,前述のような印象が生じるのかなと推測されます。



にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングでの「弁護士吉成のブログ」の順位のチェックはこちら!!

人気ブログランキングへ

↑↑↑こちらも!!


吉成安友著「くたびれない離婚」ワニブックスより好評発売中!