No.669 寧夏視察報告(その2) | ryokukanetworkのブログ

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こんにちは。せるげれんです。

 

寧夏視察報告のつづきです。

 

今回はいろいろ驚いたことがありましたが、水利は特に驚きでした。

ホルチンの海抜(約250m)と違い、こちらは海抜が1,000~1,100mと高いため、

黄河沿いの低地以外では井戸掘りがとても大変。

植林地全体にはとても灌水をすることができません。

ホルチンでは緑化地に約30mの井戸を掘っていますが、

こちらでは100m〜200mは必要だそうです。

そのため水分要求が少ない灌木のニンティアオをメインに

無灌水で防風帯を設置して緑化を進めていました。

このニンティアオが寧夏全体でなんと300万ムー(20万ha )も植栽されています。

(ウチらの100倍近いのね。。。)

 

 

 

しかし、ニンティアオなどの灌木は、

3~5年で刈り取って更新しないと老化して枯れてしまいます。

この広大な面積に植わっている大量のニンティアオ(カラガナ)の伐採更新は、

とんでもない作業量となっています。

 

さらに、刈り取った後の枝葉の処理がまた一苦労。

大部分は粉砕後にペレット化して付近の火力発電所用の燃料として利用されていました。

 

 

 

そして、今回の視察のメインテーマ。

1990年代半ばから、一部は刈り取って粉砕後に飼料として利用され始めました。

 

従来の石炭や天然ガスの燃料に比べて効率がいいということですが、

家畜が食べられる飼料を燃やしてしまうのはもったいないですよね。

 

ところが、ニンティアオは棘がある上に木質部分が多いため、

ヤギやヒツジなど一部の家畜が葉を食べるだけで、

大半は飼料に不向きでした。

 

そこで、細かく粉砕して給餌性を向上させた結果、全ての家畜が好んで食べる

良質な飼料となることが分かったそうです。

 

 

 

これだけ大量にあればかなりの家畜を養えます。

 

 

 

 

ホルチンでも、トウモロコシの残滓を砕く粉砕機で試してみたことがありますが、

それよりも相当細かく、ほとんど糸状ですね。

 

 

 

粗飼料として利用される場合は、梱包して出荷されます。

 

 

 

 

ホルチンの降水量や海抜なら、ニンティアオは寧夏よりも格段に生長すると思いますので、

粉砕粗飼料を製造すれば、効率的に生産できてニーズもあるだろうなと思いました。

 

現在、べいぷさんがいろいろ考えていて、

ホルチンでも設備を導入して既存のニンティアオの粉砕を行い、

給餌実験や市場開拓をやってみることになりそうです。

(がんばりまっする!)

 

(おしまい)

 

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