九月の夜想曲 ~ブルームーン<九十九の涙に彩られた刻の雫>~

行間に綴られた言葉を、共に知る方へのメッセージ

ワンピース 第四夜

2020年03月04日 | 日記
<其の一>『あなたのために・・・』


 世の中には、他人に口出しするのが好きな方が、
 大勢います。

 「君のために言っているのだ。」

 「君が気づいていないようだから、教えてあげる。」

 「このケースは、こうした方がいい。
  私はすでに経験済みだから、わかる。」


 総じて、「よかれと思って」仰っているのでしょう。

 ところで、その対象は誰でしょうか?

 ご本人たちは、相手のためと思い込んでいます。

 質が悪いのは、その人たちに悪意が無いばかりか、
 相手に有益と信じ込んでいることです。

 真実は、ご自身の欲求を満たすための言動であり、
 “よかれ”の対象は、実はご自身です。

 何しろ、相手が自分の言う通りにすることで、
 満足するのは自分だけ。


 もしも相手の方が、こうした方々と同レベルであれば、
 気を遣うことなく、自分のやりたいように行うでしょう。

 そうしますと・・・

 「せっかく教えてやったのに。」

 「なぜ、言う通りにしないのだ。
  そうした方がいいに決まっているのに。」

 「私が心配しているのがわからないのか!」

 最後の心の声が、端的に示していますね。

 誰のために言っていたのか。


 ところで、相手の方が真実を知っていた場合は、
 不幸な事態になります。

 “よかれ”攻撃により破壊されたものの修復に、
 多大な時間と労力を要するからです。


★★★

 少々、極端なお話をさせていただきました。

 もちろん、例外はございます。

 それは、本当に相手のことを心配しているケースです。

 心配なだけに、ある一点に意識が集中してしまいます。

 哀しいことです。

 ただ、頼まれもしない事に口出しをしても、
 相手に有益なことはほとんどありません。

 それよりも、相手の方をそっと見守ること、
 依頼されれば出来るだけお応えすること・・・

 人との関わりは、相手の方の人格を大切にすることから
 始めたいですね。


☆☆☆

<其の二>『申し訳ございません。』


 日本語としましては、「申し訳ないことです。」が
 正しいのでしょうが、慣例的に「申し訳ありません」や
 「申し訳ございません」が使われています。

 自己都合で他人に迷惑をかけた場合に、
 よく使われる言葉ですが・・・

 ところで、これを謝罪だと思っている方は、
 もしかしたら加害者だけかもしれません。

 少なくとも、この後に何の提案も無い場合は、
 謝罪の意志なき言葉遊びとみてよろしいかと思います。

 誠実さ、真摯さの無い加害者は、口先だけで、
 実は罪の意識が無いものです。

 口先だけの謝罪は、加害者の気持ちが済むだけで、
 被害者に対しては、何一つ謝罪したことにはなりません。


 ところが、世の中には、外野席に偽善者も多く、
 こんな言葉が飛び交います。

 「謝っているのだから、許してやれよ。」

 「もういいだろう。こんなに謝っているんだ。」

 次第に、被害者を悪者に仕立て上げる傾向があります。

 しかし、冷静に考えますと、加害者は
 何一つ償いをしていないのです。

 他人に損害を与えているにも関わらず、
 自分は何も提供せず、ただ口先だけで謝る。

 どれほど善人のふりをしていても、
 見抜ける人たちにはわかるものです。

★★★

 さて、ありきたりの、世の中の理不尽を
 声高らかに叫んでいる・・・
 ように聞こえましたでしょうか?

 “よかれ”攻撃も、口先だけの謝罪も、
 浅ましき人間から出る行為ですが、
 現実社会では、こうしたことが多いことは否めません。

 生物学的には、道徳というものはございませんので、
 むしろ、正しい選択なのかもしれません。

 ただ、“よかれ”攻撃の中には、ときとして、
 哀しみを背負うものがあります。

 命がけの“よかれ”です。

 深い愛情から起こる“よかれ”です。

 大切に想い、努力するほどに、朽ちてゆく哀しみ・・・


 背負う者は誰なのか?

 朽ちてゆく者・・・守れなかった者・・・

 命あるものが関わるということの切なさが、
 聴こえてくるようです。


                     Written by Z

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