加齢に伴い、皮膚を含む各臓器の幹細胞の数と機能が低下して、皮膚ではシワやタルミが出現します。
これを改善するために自己の幹細胞の移植や、第3者の幹細胞の培養液が使用されてきました。
当初は自己の幹細胞を培養して増加させて、自身の血管内や、にきび後のへこみやほうれい線に注入することも
行なわれてきました。
最近は美容に関しては細胞その物を点滴したり、皮膚に注入することは行われなくなってきました。
大量の細胞を点滴すると肺に集積して毒性を発揮することも報告されています。
細胞をニキビの後のへこみなどに注入しても、細胞その物が増殖して効果を発揮するのではなく
細胞が産生分泌する増殖因子、炎症を起こしたり抑えたりするサイトカインが
アンチエイジングなどの効果を発揮することが判明してきたのです。
幹細胞は由来により脂肪細胞由来、歯髄由来、臍帯由来などに大きく分けられます。
日本の研究機関の報告では
臍帯 : 抗炎症作用を示す細胞多いので 慢性炎症性疾患に適している
歯髄 : 神経系の成長因子示す細胞多いので 脳梗塞後物忘れやアルツハイマー病の治療に適している
脂肪 :VEGF HGF PGF 増殖因子多いので 美容に適している
などが報告されています。
海外からは臍帯由来の幹細胞はその採取部位により微妙に性質が異なるという報告があります。
上は臍帯の断面図です。臍帯由来の幹細胞はその採取部位により下のように分けることができます。
羊膜由来
血管周囲由来
Whorton’s Jelly(WJ) 由来(動脈や静脈の間の部分)
全ての部位(ミックス) 由来
部位別に幹細胞を作製する際には、一番手間が少なくて多くの細胞が採取できるのはWJ 由来としています。
一本の臍帯より4.6X10 の6乗の細胞が採取できるとしています。
細胞を培養した際に幹細胞の割合が高く、繊維芽細胞、骨格筋、内皮細胞などのマーカーを示す
非幹細胞の割合が一番少ないのがWJ由来としています。
WJから採取した細胞では非幹細胞の率は26から27%であり、
ほかの部位から採取した細胞ではCD40陽性率は50から70%であると報告されています。
臍帯から細胞を採取した場合WJから多くの細胞が採取可能で、培養の際にも
速やかに増殖して、非幹細胞の割合が少ないので
臨床使用に適していると報告されています。
実際に幹細胞培養液を点液したリ、外用したり、導入する際には
どのような種類の幹細胞の培養液を使用するか、
使用する培養液の量はどれくらいか、
外用や導入する際には濃度はどれくらいか、
エクソソームの量はどれくらいか、
増殖因子の量はどれくらいか、
などを考慮して使用する必要があります。
前述した日本の研究機関でも、臍帯由来の幹細胞は慢性炎症に適しているとしましたが
臍帯由来の幹細胞は大量の成長因子を産生していることも報告しています。
脂肪由来の幹細胞、臍帯由来の幹細胞どちらがアンチエイジングに適しているか?
ほとんどすべての人が効果を感じるにはその量はどれくらいか?
幹細胞培養液にエくソゾームを添加したらどうなるのか?
これから検討すべきことがたくさんあります。
今青山ヒフカクリニックではこれらの課題を解決しようとしています。
そののちに幹細胞の点滴を開始しようと思っています。
もう少しお待ちください。