ヒトはなぜ睡眠が必要なの:睡眠不足は酸化ストレスとなり、心、体、肌にダメージを生じます | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

最近定期的にカクテルビタミンの注射をするようになりました。

新型コロナウィルスの予防のために免疫を整えるようにしているのです。

カクテルビタミンの注射をするようになってから、睡眠時間が少なくて済むようになりました。

どうしてだろうといろいろ調べてみました。

僕は、起きている間に脳で不足したビタミンを体のほかの部分から輸送するために

睡眠が必要なのかと思っていました。

半分当たりでした。

非常に興味深いことがわかりました。

 

ヒトがどれくらいの間睡眠を我慢できるのかを 行った実験では約11日でした。

睡眠を我慢していると判断力の低下が起こったり、頭がボーっとしたり

肩が凝ったり、肌が荒れたりといろいろなことが起こります。

脳は体重の5%しかありませんが

体に取り込んだ酸素の約25%を消費します。

ほかの部分の細胞の約5倍の酸素を消費します。

脳を構成する 神経細胞は細胞膜に電子を発生して、生じた電気インパルスを利用して

情報伝達を行います。

神経細胞における活動電位の発生にはNa+/Ka+ATPアーゼという酵素が必要です。

神経細胞はATPを利用して活動電子を得ていますが、

その結果ATPはADP、AMPを経てリン酸基を失いアデノシンになります。

神経細胞のミトコンドリアにおいては大量のATPを産生するために酸化的リン酸化が起こり、

その結果、豊富な活性酸素が生じます。

 

神経細胞の代謝はほかの部分の細胞の5倍なので、ほかの部位よりも大量の活性酸素を生じます。

それを処理するするために脳にはビタミンC ビタミンB群グルタチオンが豊富に存在しますが

これらの抗酸化物質は酸化されて、酸化型のビタミンCや酸化型のグルタチオンが増加して

活性酸素の消去能が低下します。

活性酸素は少量ではシグナル伝達など生命活動の維持に必要ですが、

過剰な活性酸素は細胞を殺してしまいます。

睡眠不足がずっと継続すると神経細胞の破壊が起こることも報告されています。

 

どうしたらいいのでしょうか?

一定の時間神経細胞の活動を低下させて、神経組織にたまった老廃物を取り除くことが必要になります。

それが睡眠なのです。

 

最近神経組織では脳脊髄液が動脈周囲の血管周囲腔から静脈周囲の血管周囲 腔に向かって流れて

老廃物を洗い流すシステムがあることがわかりました。

 

上の図に示すように黒い神経細胞の周囲にある青い細胞がアストロサイトという細胞です。

アストロサイトは神経細胞を支持する働きを持っているのですが、その突起が

動脈周囲に伸びて、そこの脳脊髄液をくみ取って、神経細胞を洗浄して静脈周囲に

流して、老廃物を除去していることが判明したのです。

これをGlymphatic systemといいます。

興味深いことに睡眠中は、神経細胞やアストロサイトの大きさは60%も減少して

細胞の間のすきまが増加して脳脊髄液の流れが起きている時の10倍に増加することがわかりました。

すなわち睡眠は神経細胞に生じた老輩物を効率よく除去するために必要なのです。

カクテルビタミンの注射成分は脳内に移動して活性酸素を消去します。

ですから発生する活性酸素や老廃物の量が減少して短い睡眠時間で済むようになったのです。

 

年を取ると睡眠時間が短くなるのは、代謝が低下して生じる活性酸素などの老廃物が少なくなったので

短い睡眠時間で済むようになったためです。

 

過剰な活性酸素は皮膚、体、脳にダメージを生じ、生活の質の低下のみならず高血圧、

糖尿病、発癌のみならず、赤ら顔、毛穴の開き、ニキビ、乾燥肌、しわなどを起こします。

 

睡眠を十分にとることが生活の質を上げるために必要です。

忙しくて、睡眠がたっぷりとれない方は、ぜひビタミンを摂取して

脳で生じる活性酸素や老廃物を少なくしてください。

睡眠の間に脳組織には体の各部位からビタミンCなどが輸送され朝の目覚めに備えるのです。

 

皮膚や体のビタミンCなどがたっぷりあると、

脳には十分量のビタミンCが移動して

皮膚にも美しさを保つためのビタミンCなどが残ります。

睡眠の効果を上げるために、皮膚や全身の機能を高めるために

ビタミンを摂取して皮膚にも補給しましょう。