前回、グルタチオンを投与すると肌はさらに白くなり毛穴が縮小することを解説しました。
赤い皮膚が白くなるのは血管内皮細胞同士の隙間がなくなり赤血球が透けて見えなくなるためです。
グルタチオンをイオン導入すると劇的に皮膚の赤みがなくなり白くなるのは
グルタチオンが酸化したビタミンCを還元してビタミンCが赤みを少なくする以外に
ほかに理由があるのではと考えました。
内皮細胞を大きくするのは一酸化窒素の作用によります。
一酸化窒素は体内では一酸化窒素合成酵素(eNOS)により内皮細胞で産生されます。
神経細胞や免疫担当細胞でも産生されて神経細胞の活動や、外から侵入した最近を一掃するために使用されます。
皮膚でも表皮細胞、メラニンを作るメラノサイト、コラーゲンを産生する繊維芽細胞が産生しています。
一酸化窒素合成酵素の活性を維持するためにはテトラハイドロビオプテリン(BH4)という補酵素が必要になります。
ビタミンCはBH4を安定化させて一酸化窒素合成酵素の活性を上げて
血管を拡張しつつ内皮細胞の隙間を減らして炎症を抑えます。
ビタミンC以外に一酸化窒素合成酵素の活性を上げるものを調べてみました。
ビタミンB2はFADH2を介して、ビタミンB3はNADPHを介してBH4を活性化して、一酸化窒素合成酵素を活性化します。
グルタチオンはグルタチオンS-トランスフェラーゼという酵素を介してNOSを活性します。
グルタチオンはビタミンCを介さずに一酸化窒素合成酵素を強化するのです。
ビタミンABCはAMPKというリン酸化酵素を活性化します。
AMPKは一酸化窒素をリン酸化して活性化することが報告されています。
すなわちビタミンC以外にビタミンAやビタミンB群やグルタチオンはすべて一酸化窒素合成酵素の活性を上げるのです。
一酸化窒素合成酵素の活性が上がると血管が拡張し、全身の組織への血流が増加し
末梢組織のミトコンドリアの活性が上がり、美肌とアンチエイジングが実現します。
脳細胞の活動も活発になり認知症も低下します。
ビタミンABCやグルタチオンはミトコンドリアへの3大栄養素の取り込みを増加させる作用や
ミトコンドリアで生じる活性酸素を消去する作用を持っているので当然の反応です。
上図のようにビタミンABCとグルタチオンは組織のミトコンドリアを活性化します。ですから
ビタミンABCが組織の代謝を上げるのは当然のことですね。
さらに、
さらに、上の図に示すようにビタミンABCは一酸化窒素の産生を増加して
血流を増加して代謝促進に対応した体制を実現するのです。
僕らが運動すると骨格筋やその他の代謝促進に応じた血流増加が自然に起こるのですが
血流増加作用、血管拡張作用の主役は一酸化窒素です。
ビタミンABC、そしてグルタチオンは抹消組織の代謝促進、血流増加
内皮細胞増大による透過性低下による皮膚の赤み低下、炎症抑制も実現するのです。
上の方はグルタチオンのイオン導入を行いました。導入後はいろが白くなり毛穴が閉じています。
僕が右の顔にグルタチオン、左の顔にグルタチオンと同じ作用を持つNアセチルシステインをイオン導入したところ
目じりのシワが低下していろが白くなり、毛穴が閉じました。ほうれい線も浅くなっています。
自覚的には左右差はありませんでした。
グルタチオンは毛穴レス美白ローションに配合しました。
またグルタチオンのイオン導入はビタミンABCと一緒のブライトニングコースだけでなく
単独でも利用可能です。
ぜひお試しください。