その1 カフェインの代謝促進、皮脂分泌抑制、脂肪細胞燃焼などのメカニズムについて   | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

カフェインは代謝促進、皮脂分泌抑制、脂肪細胞燃焼などの多彩な作用を示しました。

そのメカニズムについて解説します。

 

1.カフェインの神経細胞の興奮作用について

カフェインはアデノシンという物質に構造が似ているためアデノシンの代わりに

神経細胞のアデノシン受容体に結合します。

アデノシンはドパミンやグルタミン酸による興奮作用を抑制します。

上の図に示すようにカフェインがアデノシンに結合することを抑制してしまうとアデノシンによる

グルタチオン酸やドパミンの興奮作用を抑える作用がなくなってしまい、興奮作用が増加して眠気がなくなります。

アデノシンはATPが分解して生じるエネルギーの燃えカスのようなものです。

ATPが燃焼しまくってアデノシンが増加したということは神経細胞も体細胞も十分に活動した結果なのです。

運動すると眠くなるのは骨格筋でアデノシンが増加してより強い鎮静作用が発揮されるということによります。

 

2.カフェインの脂肪細胞の燃焼作用、スリミング効果について

カフェインは以前から脂肪細胞を小さくする効果が報告されています。

これはカフェインがcAMPを介してリパーゼという脂肪分解酵素を活性化することによります。

体だけでなく顔の脂肪細胞も燃焼させて小顔効果を発揮します。

 

3.カフェインの皮脂分泌抑制効果について

カフェインの皮脂分泌効果が高いことに僕は驚きました。

毛穴レス美白ローションを外用している方でもイオン導入で明らかに毛穴がとじ、

数週間の外用でもしっかり毛穴が閉じます。

そこでカフェインの皮脂分泌に対する効果を調べてみました。

上の図のようにカフェインはSREBP1,2というそれぞれ脂肪酸合成、コレステロール合成にかかわる

転写因子を抑制して脂肪酸合成、コレステロール合成を抑制します。

さらにカフェインはAMPKというリン酸化酵素を活性化して皮脂分泌のかなめとなる

アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)という酵素の活性をおさえて皮脂分泌を抑制します。

カフェインは交感神経を活性化してノルアドレナリンを増加させて皮脂分泌を抑制します。

交感神経活性化すると皮脂分泌が増加するイメージがありますが、これは男性ホルモンが増えるためです。

具合のいいことにカフェインは5αリダクターゼという男性ホルモンを活性化する酵素を抑制して皮脂分泌を抑えます。

さらにカフェインは炎症を起こす活性酸素を消去するSODをSTAT3を介して活性化して炎症を抑えます。

STAT3はサイトカインやカフェインなどのシグナルを細胞膜から核に伝える経路です。

カフェインは炎症性細胞に直接働いて過剰な活性酸素やサイトカインの産生を抑制して炎症を抑えます。

炎症で生じるサイカインや蛋白分解酵素は皮脂腺を刺激して皮脂分泌を亢進させます。

ニキビが治りにくいのも、炎症で皮脂分泌が亢進しているからです。

このようにカフェインは炎症を抑えて皮脂分泌を抑制する作用を持っています。

 

上の図に示すようにカフェインは様々なメカニズムで皮脂や細胞内中性脂肪、コレステロールの合成を抑制します。

また、脂肪の合成を抑制して分解するリパーゼの活性を増加させるので、強いスリミング効果も生じます。

顔や全身の余分な皮下脂肪を分解して、皮脂分泌を抑え、後述するようにミトコンドリアにおける脂肪燃焼を促進

するという理想的な対脂肪効果を示します。


動したのを同じ効果を発揮したためです。

 

数年前までカフェインを運動前に摂取することはドーピングの対象になっていました。

ただ効果を発揮するためにはあまりにも大量の摂取が必要なためドーピングリストからはずれました。

カフェインを摂取して運動するとつかれにくい、筋力、骨格筋の量の増加が報告されています。

これはカフェインの細胞不活効果を反映しています。

ビタミンABCやグルタチオンと共にカフェインをうまく使用しましょう。